藤井聡太王将、王将戦4連覇へ王手!谷川十七世名人「22歳で抜かれるかも…驚きしかない」

藤井聡太王将(22)がALSOK杯王将戦七番勝負第4局で永瀬拓矢九段(32)に挑み、4連覇に王手をかけました。本記事では、高槻市で行われた第4局の模様と、立会人を務めた谷川浩司十七世名人のインタビューを通して、歴史的瞬間を目前にした将棋界の熱気を伝えます。

王将戦第4局、緊迫の中盤戦

第74期王将戦第4局の様子。谷川十七世名人が解説動画を撮影している。第74期王将戦第4局の様子。谷川十七世名人が解説動画を撮影している。

関西将棋会館移転後初のタイトル戦となる第4局は、山水館で熱戦が繰り出されました。谷川十七世名人は「会館が高槻に移転して初めてのタイトル戦なので、感慨深い」と語っています。第1局から第3局までを制し、勢いに乗る藤井王将。永瀬九段も善戦するも、僅差で敗れています。谷川十七世名人はこの状況を「内容的には互角の勝負。永瀬九段が有利に進めても、藤井王将が巧みに局面を複雑化させ、わずかなミスを誘って逆転している」と分析。

第4局は角換わり腰掛け銀の戦型となり、藤井王将の仕掛けに永瀬九段が研究手順で応戦。藤井王将が長考を強いられる展開となりました。昼食休憩時には消費時間に大きな差がつき、「永瀬九段の思惑通りの展開。終盤戦に向けて、一瞬の判断が勝敗を分ける局面」と谷川十七世名人は解説しました。

AI時代、進化を続ける若き棋士たち

谷川浩司十七世名人が対局の様子を見守る。谷川浩司十七世名人が対局の様子を見守る。

AIの進化は将棋界に大きな変化をもたらしました。谷川十七世名人は「AIによって棋士の活躍年齢層が若年化している。30代で戦型についていけなくなる可能性もある」と指摘。体系化された戦型への対応や、AIを活用した研究、そしてその中で個性を発揮できるかが、現代棋士の課題となっています。

藤井王将も例外ではなく、常に進化を求め続けています。「棋王戦で右玉を指すなど、新しい戦法を試行錯誤することで、更なる進化を模索している」と谷川十七世名人は分析しています。

藤井王将、歴代5位タイに王手!

藤井王将は現在タイトル獲得数26期。谷川十七世名人の持つ歴代5位の27期にあと一歩と迫っています。谷川十七世名人は「羽生善治九段、大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人は一時代を築いた棋士。渡辺明九段も偉大な棋士。藤井王将にも抜かれるとは思っていたが、22歳で抜かれるとは驚き。藤井王将の活躍には驚かされ続けて感覚が麻痺している」と苦笑しながらも、若き天才の活躍に感嘆の意を表しました。

藤井王将が王将戦4連覇を達成し、谷川十七世名人と並ぶ歴史的瞬間が目前に迫っています。今後の展開に目が離せません。

王将戦の行方、そして未来へ

藤井聡太王将と永瀬拓矢九段の熱戦は、将棋界の未来を占う重要な一戦となっています。AI時代における棋士の在り方、そして若き才能の躍進。王将戦の行方と共に、将棋界の未来に注目していきましょう。