自民党の岸田文雄政調会長に“追い風”が吹きつつある。9月の党役員人事で連携し、岸田氏が希望した幹事長ポスト就任を阻んだ二階俊博幹事長と菅義偉官房長官が失言や自身に近い閣僚の辞任により相次いで批判にさらされているからだ。「ポスト安倍」に意欲を示す岸田氏は安倍晋三首相が宿願とする憲法改正に向けた議論の促進や政策面での発信を強めているが、このチャンスをものにできるのか。
災害対策、憲法改正で後塵を拝す
「予測されていたことから比べると、(被害は)まずまずに収まったという感じだが、相当の被害が広範に及んでいる」
二階氏は10月13日午後、甚大な被害を及ぼした台風19号を受けて開かれた党緊急役員会でこう述べた。死傷者が出ているうえ、被害の全容がはっきりしない段階での発言は厳しい批判を招いた。
役員会は3連休の中日に緊急召集された。岸田氏は連休明けの15日に傘下の党政調会の災害対策特別委員会を開く予定で、会合自体は二階氏に先を越されたといえる。しかし、二階氏への非難は日増しに高まり、その15日に発言撤回に追い込まれた。
「二階さんは張り切りすぎたんじゃないか…」