昨年11月17日の兵庫県知事選を巡り、再選した斎藤元彦知事(47)とPR会社「merchu(メルチュ)」(兵庫県西宮市)の折田楓社長(33)が公職選挙法違反(買収、被買収)の容疑で刑事告発された問題。神戸地検と兵庫県警は今年2月7日、折田氏の関係先への強制捜査に踏み切った。事態が表面化して以降、雲隠れを続けてきた折田氏だが――。
【LINE入手】「Sns監修はメルチュさんにお願いする」斎藤陣営の事務局長を自称するK氏が神戸市議に送ったLINE
ことの発端は、県知事選から3日後の昨年11月20日、折田氏が「note」に記事を投稿したことだった。
「記事には斎藤氏がメルチュの会議室で折田氏らと打ち合わせをしている写真が掲載されるなど、同社が業務として斎藤陣営のSNS戦略を担ったと読める内容だった。その後、斎藤氏側からメルチュに71万5000円が支払われたことが明らかになり、これが『インターネットを利用した選挙運動の対価としての報酬支払い』に該当し、公選法に違反する疑いがあると指摘されました」(社会部記者)
メルチュ側への強制捜査に踏み切った背景
斎藤氏側は代理人弁護士が「71万5000円は、公選法で認められたポスターのデザイン制作費などの支払いだ」として請求書を公開。折田氏の投稿については「盛っておられる」などと主張した。
「地検と県警は昨年12月、斎藤氏と折田氏に対する刑事告発を受理。早々に斎藤氏側から資料の任意提出を受けた。加えてメルチュが主体的・裁量的に選挙運動の企画立案を行っていたことを裏付ける必要がありますが、同社側はスマホなどの任意提出の要請に十分に応じてきませんでした。そこで、捜査当局は折田氏の関係先に強制捜査に踏み切った形です」(捜査関係者)
〈Sns監修はメルチュさんにお願いする〉
さらに、「週刊文春」が1月16日発売号で報じたように、斎藤氏陣営の幹部が支援者に送った〈Sns監修はメルチュさんにお願いする〉というLINEも存在する。
「当局はこうした証拠を精査したうえで、今後、立件の可否を検討していくと見られます」(捜査関係者)
渦中の折田氏は一体、何をしているのか――。「週刊文春」は、強制捜査を受けた彼女が神社を訪ねる姿を捉えた。
現在配信中の「 週刊文春 電子版 」では、神社を訪ねる折田氏の様子などを写真付きでレポートしている。
また、2月19日(水)正午配信の「週刊文春 電子版」および20日(木)発売の「週刊文春」では、斎藤氏に関する短期集中連載をスタート。第1回では、折田氏との蜜月などについて5ページにわたって詳報している。
「週刊文春」編集部/週刊文春 電子版オリジナル