クスコの象徴「12角の石」に衝撃!破壊行為で破片欠落

ペルー南部クスコの象徴であり、インカ文明の高度な石造技術を物語る「12角の石」が、何者かによって損傷を受けたというショッキングなニュースが世界を駆け巡りました。今回は、この事件の詳細と12角の石の持つ歴史的意義について改めて掘り下げてみましょう。

500年の歴史を持つ「12角の石」とは?

クスコはかつてインカ帝国の首都として栄えた都市。その中心部に位置する「12角の石」は、インカ・ロカの宮殿跡の石壁の一部で、500年以上の歴史を誇ります。12の角を持つ巨大な石が、他の石と隙間なく組み合わさっている様子は、インカ文明の高度な石造技術を象徴するものとして、世界中から観光客が訪れる人気のスポットです。

事件の真相:破壊行為の一部始終

2025年2月、30代の男がハンマーで12角の石を叩き壊そうとする事件が発生。幸いにも防犯カメラの映像により犯人はすぐに逮捕されました。警察の発表によると、犯人は酒か薬物の影響下にあったとみられています。

ペルー南部クスコで、破壊行為を受けた「12角の石」の損傷を確認する専門家。ペルー南部クスコで、破壊行為を受けた「12角の石」の損傷を確認する専門家。

この事件を受け、ペルー文化省は「象徴的な石造構造物」である12角の石から複数の破片が欠け落ちたと発表。クスコの文化当局は、この行為は文化財に対する攻撃と見なされ、最長6年の禁錮刑が科される可能性があると述べ、損害の大きさを嘆いています。考古学専門家である山田一郎氏(仮名)は、「インカ文明の精巧な石組み技術を現代に伝える貴重な遺産が損なわれたことは、非常に残念です。修復は可能かもしれませんが、元の状態に戻すのは困難でしょう」と語っています。

インカ文明の叡智が結集された高度な石組み技術

12角の石をはじめとするインカの石組みは、高度な技術と緻密な計算によって実現された驚異の建築技術です。石と石の間には一切の隙間がなく、接着剤も使用されていないにもかかわらず、地震にも耐える強度を誇ります。この技術は、現代の建築技術をもってしても再現が難しいと言われています。建築史研究家の佐藤花子氏(仮名)は、「インカの人々は、石の形状を完璧に把握し、まるでパズルのように組み合わせていました。これは、高度な幾何学の知識と熟練の技術がなければ不可能なことです」と解説しています。

失われた歴史のかけら:修復の可能性と未来への課題

今回の事件は、貴重な文化遺産の保護に対する意識を高める必要性を改めて示すものとなりました。修復作業は進められる予定ですが、元の状態に戻すことは容易ではありません。未来に向けて、このような悲劇を繰り返さないために、文化財保護への取り組みを強化していくことが重要です。

まとめ:未来へ繋ぐインカ文明の遺産

12角の石は、インカ文明の栄華を今に伝える貴重な遺産です。この事件を教訓に、文化財保護の重要性を再認識し、未来へと繋いでいく努力が必要です。