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【北京=三塚聖平】中国政府が、市場の対外開放に関する施策を相次いで表明している。外資企業の中国市場参入に関わる規制分野の削減方針や、出資規制の撤廃スケジュールを10月に次々と明らかにした。米中貿易協議の「第1段階」の部分合意署名への機運が高まる中で、今後の協議を円滑に進めるためトランプ米政権に市場開放をアピールする狙いがありそうだ。
「中国の外資に対する門戸はますます大きく開かれる」。中国商務省の王受文次官は10月29日の記者会見で、外資の参入を規制する分野を列挙した「ネガティブリスト」の削減方針を表明した。同リストに記載されていない規制措置の全面的な廃止や、外資の投資促進などに関する20項目の施策を明文化して近く発表する見通しも示した。
中国証券監督管理委員会は10月中旬、金融分野における外資出資規制の撤廃スケジュールを発表。外資が中国で事業を行う際の出資規制を、2020年4月に資産運用会社、同年12月に証券会社でそれぞれ撤廃する。現在は中国企業と合弁会社をつくる必要があるが、規制撤廃で完全子会社化が可能になるため、米金融大手シティグループなどが全額出資の証券会社設立を計画中と報じられる。
5日に上海で開幕した「中国国際輸入博覧会」の開幕式でも、習近平国家主席が「市場開放を引き続き拡大させる」と強調した。関税引き下げといった方針を表明したが、目立った具体策は見られなかった。
中国政府は、米国との貿易協議を意識して市場開放策を積極的に表明しているとみられる。今月1日には米中両政府が電話による閣僚級協議を実施。中国外務省の耿爽(こうそう)報道官は5日の記者会見で「現在、双方の協議は進展を得ており、計画通りに前進している」と協議が順調に進んでいるとの認識を示した。中国側による市場開放策の表明も、ムードの盛り上げに一役買っているとみられる。
ただ、足元で中国側が表明した施策は従来の取り組みの延長や、小粒なものが目立つ。さらに、金融市場開放など中国もメリットを得られる分野が中心で、産業補助金の撤廃など核心的利益に関わる分野では強硬姿勢を崩していないようだ。北京のエコノミストは「中国金融市場の開放は米国企業のニーズが高いため、協議進展に向けそれなりにアピールできるのではないか」との見方を示す。
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