冷凍フルーツ人気急上昇!韓国で節約志向が高まる背景とは?

日本ではあまり馴染みのない冷凍フルーツですが、お隣の韓国では一大ブームを巻き起こしているようです。今回は、韓国で冷凍フルーツの人気が高まっている背景や、その影響について詳しく見ていきましょう。

冷凍フルーツ輸入量が過去最高を記録!その理由は?

韓国関税庁の統計によると、2022年の冷凍フルーツの輸入量は7万9436トンと過去最高を記録し、前年比で25%も増加しました。5年前の2019年と比較すると、なんと70%以上の増加です。この急激な増加の背景には、新鮮な果物の価格高騰と、冷凍フルーツの手頃な価格が大きく影響しています。

冷凍フルーツ冷凍フルーツ

流通業界関係者によると、スーパーで販売されている輸入冷凍イチゴの価格は、国産の新鮮なイチゴの4分の1程度とのこと。旬の時期に大量に買い付けた新鮮な果物を冷凍することで、コストを抑え、消費者に手頃な価格で提供できることが人気の秘密のようです。

新鮮な果物の価格高騰と単身世帯の増加も追い風に

統計庁のデータによると、果物の消費者物価指数は年々上昇傾向にあります。新鮮な果物の価格高騰は、冷凍フルーツの人気をさらに後押しする要因となっています。

また、単身世帯の増加も冷凍フルーツの需要を押し上げる一因となっています。一人暮らしの場合、新鮮な果物を食べきれずに腐らせてしまうこともありますが、冷凍フルーツなら少しずつ解凍して食べられるため、無駄がなく便利というわけです。龍仁市に住む38歳のキム・スラさんも、冷凍フルーツの利便性を高く評価しています。

冷凍チキン・ピザ市場も拡大!節約志向は世界的なトレンド?

冷凍食品の人気が高まっているのは、フルーツだけではありません。冷凍チキンや冷凍ピザの市場規模も拡大しています。ニールセン・アイキュー・コリアによると、2023年の国内冷凍チキン市場規模は約1641億ウォンで、前年比10%以上増加しました。フランチャイズチキンの価格高騰を受け、代替品として冷凍チキンを選ぶ消費者が増えているようです。

冷凍ピザ市場も同様に拡大しており、ユーロモニターによると、2019年の900億ウォンから2023年には1685億ウォンと、約2倍に拡大しています。

中央大学食品工学科のハ・サンド教授は、この現象は韓国だけでなく世界的なトレンドだと指摘しています。グローバル冷凍食品市場は、今後も成長を続けると予想されています。

物価高騰の影響は家計に直撃…消費者の節約志向はさらに加速?

イチゴやミカンなどの果物の価格高騰により、卸売物価は上昇しています。韓国銀行が発表した「1月の生産者物価指数」によると、先月の生産者物価指数は120.18(2020年100基準)で、前月比0.6%上昇しました。上昇幅は17カ月ぶりの最高値となっており、家計への負担増が懸念されています。

一方、憲法裁判所の弾劾審判が終盤を迎えたことで、政治の安定化への期待感から消費心理は若干回復しているようです。しかし、物価高騰の影響は依然として大きく、消費者の節約志向は今後も続くものと見られています。

まとめ

韓国で冷凍フルーツの人気が高まっている背景には、新鮮な果物の価格高騰、単身世帯の増加、そして冷凍食品の利便性などが挙げられます。このトレンドは世界的なものであり、冷凍食品市場は今後も成長を続けると予想されます。節約志向の高まりとともに、冷凍食品はますます私たちの食生活に欠かせない存在になっていくかもしれません。