ウクライナ、驚異のドローン大国へ!戦況を変える国産無人機の進化

ウクライナ紛争は、戦場の様相を一変させるだけでなく、ウクライナ国内のドローン産業を驚異的なスピードで成長させています。かつては軍事大国ロシアに圧倒されていたウクライナですが、今や独自の技術で開発・生産した高性能ドローンを駆使し、戦況に大きな影響を与えています。jp24h.comでは、ウクライナのドローン産業の躍進と、その背景にある国を挙げた取り組みについて詳しく解説します。

国産ドローン「GOR」の実力

ウクライナ製偵察用ドローン「GOR(ゴア)」は、その高性能さが注目を集めています。約260kmという長距離飛行能力に加え、夜間撮影可能な高性能カメラを搭載。さらに、電波妨害(ジャミング)にも強く、通信が遮断された場合でも自動的に周波数帯を探し、再接続する機能を備えています。この高い信頼性から、現在ではあらゆる前線で活躍しています。「GOR」を開発したスタートアップ企業エアロジックス社のドミトロ・ピアトリン副代表は、「軍を支援するため、さらなる性能向上を目指したい」と意気込んでいます。

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驚異的な生産量の増加:ウクライナ、ドローン生産大国へ

ウクライナのドローン生産量は、紛争開始から飛躍的に増加しました。キーウ経済大学などの調査によると、2022年には年間約4000機だった国産ドローンの生産台数は、2023年には約30万機に急増。2024年には約400万機の生産が可能になったと推計されています。これは、紛争開始前の約1000倍という驚異的な成長です。長距離攻撃用ドローンは、2000km以上離れたロシア国内の軍事施設への攻撃にも使用されています。また、水上無人艇の開発も進んでおり、ロシアが一方的に併合したクリミア半島周辺では、自爆型無人艇がロシア黒海艦隊の艦船を複数撃沈するなど、戦果を上げています。

官民一体の取り組み:ブレイブワンの活躍

この急成長を支えているのが、政府の各省庁が連携する組織「ブレイブワン」です。軍や国営企業と民間企業の調整、国内外からの資金調達など、多岐にわたる活動を展開しています。防衛産業への投資も活発化しており、ブレイブワンによると、2024年の防衛産業スタートアップへの投資額は約5000万ドル(約75億円)と、前年の10倍に増加しました。海外からの投資も増加しており、ウクライナのドローン産業の将来性は高く評価されています。

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ゼレンスキー大統領も高く評価

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、2023年12月31日の新年に向けた演説で、防衛産業の貢献を称賛。「前線で戦うウクライナ兵士の背後には、何万人もの国産兵器を作る人々がいる」と述べ、攻撃型無人機と並んで「GOR」を含む7種類の兵器を名指しで挙げました。これは、ウクライナ政府がドローン産業を国策として育成していることを明確に示しています。ウクライナのドローン産業は、戦況を左右する重要な役割を担っており、今後の更なる発展が期待されています。