池袋の違法美容整形クリニック摘発!SNSで集客、家族で施術、被害続出の闇

日本で違法に美容整形手術を行っていた中国籍の男女3人が、医師法違反の疑いで警視庁に逮捕されました。池袋のタワーマンションの一室を舞台に、SNSを通じて集客し、家族ぐるみで施術を行っていた実態が明らかになりました。施術を受けた女性からは、化膿などのトラブルが報告されており、その手口や背景に迫ります。

SNSで巧妙な集客、医師免許証偽造も

逮捕された3人は、中国で人気のSNSアプリ「WeChat(ウィーチャット)」上で、二重手術や豊胸手術などの広告を頻繁に掲載し、集客を行っていました。逮捕された女性の韓旭娟容疑者は、自身のSNSに日本の医師免許証や看護師免許証を偽造して掲載し、信用させていたとみられます。言葉の壁から、同じ中国人に施術してもらいたいという心理につけ込んだ巧妙な手口と言えます。

施術中の韓旭娟容疑者施術中の韓旭娟容疑者

タワーマンションの一室が手術室、低価格で施術

違法手術が行われていたのは、池袋西口にある30階建てタワーマンションの25階。2部屋を使い、二重まぶた手術、豊胸手術、リフトアップなどの施術が行われていました。料金は、ヒアルロン酸注入による豊胸術が5万円など、正規のクリニックと比べて格安でした。しかし、施術後には化膿などのトラブルが相次ぎ、被害女性が対応を求めても拒否され、最終的には脅迫まがいのメッセージを送られたケースもあったようです。

家族ぐるみで施術、違法スクールの存在も

驚くべきことに、韓容疑者の他に逮捕された2人は、彼女の弟と息子でした。家族ぐるみで違法行為に関わっていた実態が浮き彫りになりました。施術の技術や器具の入手経路についても疑問が残ります。在日中国人社会に詳しいジャーナリストの周来友氏によると、麻酔薬やヒアルロン酸、注射器、メスなどの器具は、WeChat上の仲介業者から入手可能とのこと。中国や韓国の病院から横流しされたものが、日本に送られている可能性が指摘されています。また、中国には素人が美容整形手術を学ぶための違法スクールが存在し、正規のクリニックと結託した見学ツアーもあるとの情報もあります。

問題となった院が入っていた池袋のタワマン問題となった院が入っていた池袋のタワマン

違法整形の撲滅へ、更なる対策が必要

今回の事件は、違法美容整形の危険性を改めて浮き彫りにしました。「美容医療の闇」ともいえるこの問題。安価な施術に飛びつく前に、クリニックの信頼性や医師の資格などをしっかりと確認することが重要です。「日本美容外科学会」認定専門医などの資格を確認することで、安全な施術を受けることができます。今後も、関係当局による取り締まり強化と、消費者の意識向上、そして情報発信が求められます。WeChat上では今も違法整形の広告が多数投稿されている現状を鑑みると、更なる対策が急務と言えるでしょう。