人生最後の1年をどう生きるか――。経済アナリスト森永卓郎氏がステージⅣの膵臓がんと診断され、壮絶な闘病生活を送った記録は、私たちに多くの問いを投げかけます。この記事では、森永氏の闘病記『がん闘病日記』や生前のインタビューを元に、その選択と葛藤、そして最期まで希望を捨てなかった氏の生き様を紐解いていきます。
突然のがん告知と抗がん剤治療の苦悩
2023年11月、森永氏は人間ドックで受けたCTスキャンで肝動脈に影が見つかり、精密検査の結果、ステージⅣの膵臓がんと診断されました。自覚症状が全くなかっただけに、衝撃は計り知れません。医師からは「来春の桜を見ることはできない」と余命宣告まで受けたといいます。
森永卓郎氏
すぐに「アブラキサン」と「ゲムシタビン」という２種類の抗がん剤治療を開始しましたが、副作用は想像を絶するものでした。白血球の減少、食欲不振、吐き気、疲労感…点滴を受けたその夜から食事もままならず、年末には意識朦朧となり死を覚悟したと語っています。
診断への疑念とがん遺伝子パネル検査
過酷な副作用に苦しむ中、森永氏は当初から診断に疑念を抱いていました。精密検査で膵臓にがん本体が見つからなかったにもかかわらず、「膵臓がん」と診断されたからです。「もしかしたら、がんは別の部位にあるのではないか？」という思いから、2024年1月、森永氏は自費で約50万円をかけて「がん遺伝子パネル検査」を受けました。
がん細胞
がん専門医の山田先生（仮名）は、がん遺伝子パネル検査について「患者さんにとって治療方針決定の重要な情報源となる一方、高額であること、結果の解釈が複雑であることなどから、慎重な判断が必要」と指摘しています。森永氏の場合、この検査がどのような結果をもたらし、治療にどう影響したのか、さらに詳しく見ていきましょう。
森永氏の選択、そして私たちへのメッセージ
医師から余命宣告を受けながらも、最後まで希望を捨てず、自らの治療法を模索し続けた森永氏。その強い意志と生き様は、がん患者だけでなく、多くの人々に勇気を与えてくれます。
がん治療は、患者一人ひとりの状況や価値観によって最適な方法が異なります。森永氏の闘病生活は、私たちに「人生の最期をどう生きるか」という問いを突きつけ、患者中心の医療の重要性を改めて認識させてくれます。
この記事が、がんという病と闘う方々、そしてそのご家族にとって、少しでも希望の光となることを願っています。
