参議院選挙後もその勢いが衰えず、世論調査では自民党、立憲民主党に次ぐ支持を集める新興政治勢力、参政党。掲げる「日本人ファースト」のキャッチコピーで14議席を獲得したものの、その言動には常に注目が集まり、度々物議を醸してきた。代表である神谷宗幣氏も例外ではなく、過去の発言や党内での人間関係にまつわる疑惑が浮上している。特に、元秘書による「パワハラ的言動」の告発は、躍進の裏に隠された党の「闇」を示唆している。
参政党を巡る相次ぐ物議と発言
参政党の党勢拡大とともに、所属候補者や代表自身の過激な発言が注目を集めてきた。例えば、東京選挙区から出馬したさや氏(43)が展開した「核武装論」、また神奈川選挙区から出馬した初鹿野裕樹氏(48)が反対勢力を「非国民」と呼称したことは、大きな波紋を広げた。
神谷宗幣代表(47)自身も、過去に「参政党は愛人OK」と演説していたり、内輪の勉強会で「明治維新の裏には国際金融資本がいた」といった陰謀史観を披露したりしたことが指摘されている。こうした挑発的な発言は、党の知名度向上に寄与する一方で、その思想性や運営方針に対する疑問も投げかけている。そして今、神谷代表の行動がさらに深刻な問題として浮上している。
参政党の神谷宗幣代表が演説を行う様子
神谷代表に向けられた「パワハラ的言動」告発とその波紋
参政党の元秘書である20代のBさんは、神谷代表による「パワハラ的言動」が退職の原因であったと告発している。Bさんは2022年9月に参政党の職員として採用され、翌年2月からは神谷代表の秘書を兼任したが、わずか9カ月後に退職に至った。彼女によれば、退職の背景には神谷代表と当時の幹部との対立があり、結果として多くの幹部が党を離れたことが不信感につながったという。
具体的にBさんは、「神谷代表は元中部大学特任教授の武田邦彦さんら当時の幹部と対立し、結局、みんな追い出してしまった」と証言している。このような党内における幹部間の摩擦、そしてそれが引き起こす人材の流出は、新興政党が抱える組織運営上の課題を浮き彫りにしている。
元参政党スタッフBさんが神谷代表のパワハラ的言動について告発する動画の様子
幹部・主要メンバーの相次ぐ離党と組織運営の課題
神谷代表と側近との人間関係が長続きしない傾向は、Bさんの証言だけでなく、これまでの党の歴史を見ても明らかである。参政党は2020年4月の結党以来、多くの主要メンバーが党を離れている。武田邦彦氏は除籍処分となり、結党当初のボードメンバーであった保守系ユーチューバーのKAZUYA氏(37)、政治アナリストの渡瀬裕哉氏(43)も2021年には党を離れた。
その後、コアメンバーとなった医療問題アナリストで歯科医師の吉野敏明氏(57)(現在日本誠真会党首)や、右翼活動家の故・赤尾敏氏の姪である赤尾由美氏(60)も、武田氏と同時期に離党している。このように、短期間で主要な幹部やメンバーが相次いで党を去る状況は、神谷代表のリーダーシップや組織内のガバナンスに対し、厳しい目を向けさせるものとなっている。
結論
参政党は参議院選挙での躍進と世論からの注目を集め続けている一方で、党の根幹に関わる深刻な課題を抱えている。候補者や代表自身の過激な発言、そして元秘書による「パワハラ的言動」の告発や、相次ぐ主要幹部の離党は、その輝かしい成長の陰に潜む「闇」を露呈している。特に神谷代表の人間関係における一連の問題は、党の安定的な運営と将来の信頼性にとって大きな障壁となる可能性を秘めている。
参考文献
- 「週刊新潮」2025年7月24日号(記事加筆・修正のもととなった情報源)
- Yahoo!ニュース (記事元リンク: https://news.yahoo.co.jp/articles/c9261770bbb4981bd49d632a32299b96c8423b76)