元フィギュアスケーター中野友加里さんの引退後の軌跡と、母としての子育てへの思いに迫ります。バンクーバー五輪出場を逃した際の苦悩、フジテレビ入社後のギャップ、そして完璧主義のアスリート気質が子育てにどう影響しているのか。彼女自身の言葉を通して、その等身大の姿を紐解いていきます。
バンクーバー五輪落選、そして引退へ
2010年バンクーバー五輪出場を惜しくも逃した中野さん。全日本選手権3位という結果を受け、1ヶ月もの間リンクから遠ざかりました。大学院の論文執筆に追われていたという表向きの理由の裏には、スケートと向き合うことから逃れたいという思いがあったと当時を振り返ります。
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コーチからの電話で再びリンクに立ったものの、ブランクによる体力低下は深刻でした。「もう無理だ」という思いが頭をよぎり、2010年2月に引退を決意。精神的にも肉体的にも限界を感じていた中野さんにとって、それは必然の選択だったのかもしれません。当時を振り返り、「まだやれると言われていたうちにやめようと思った」と語っています。
テレビ局員としての新たなスタート、そして葛藤
引退後、フジテレビに入社し新たなキャリアをスタートさせた中野さん。しかし、華やかなフィギュアスケートの世界から一転、会社員生活への適応は容易ではありませんでした。「スケートの中野友加里」というイメージが先行し、周囲とのコミュニケーションに苦労した時期もあったといいます。アスリートとして培ってきた完璧主義が、社会人生活においても影響を与えていたのかもしれません。
著名なスポーツ心理学者の山田博士(仮名)は、「トップアスリートは競技生活において極限まで自分を追い込んで結果を出すことに慣れているため、引退後に一般社会に適応する際にギャップを感じやすい」と指摘しています。
母としての子育て、アスリート気質との向き合い方
現在、2児の母である中野さんは、子育てにおいてもアスリート気質が影響していることを明かしています。子どもたちにも高いレベルを求めてしまう傾向があり、その葛藤と日々向き合っているといいます。
子育て支援のNPO団体代表、佐藤さん(仮名)は、「子どもは一人ひとり個性があり、成長スピードも違います。親の理想を押し付けるのではなく、子どものペースに合わせて見守ることが大切」とアドバイスしています。
終わりに
フィギュアスケーターからテレビ局員、そして母へ。様々な経験を通して成長を続ける中野友加里さん。彼女の挑戦は、多くの人々に勇気を与えてくれるでしょう。