【恐怖と安堵】映画『震える舌』:破傷風の恐怖と家族の闘いを描く感動作

映画『震える舌』は、1980年に公開された野村芳太郎監督作品。破傷風という恐ろしい病魔に襲われた幼い少女と、その家族の闘いを描いた感動作です。この記事では、映画『震える舌』の見どころやあらすじ、そして観る人に与えるカタルシスについて解説します。

あらすじ:幸せな日常を襲った悲劇

千葉郊外の団地で幸せに暮らす三好一家。父・昭(渡瀬恒彦)、母・邦江(十朱幸代)、そして娘の昌子(若命真裕子)。しかし、昌子の些細な異変から、一家は想像を絶する恐怖に突き落とされます。食事中に食べ物をこぼすようになった昌子は、突然の痙攣と共に倒れてしまいます。

三好一家が暮らす団地。昌子はここで破傷風に感染してしまう。三好一家が暮らす団地。昌子はここで破傷風に感染してしまう。

破傷風の恐怖:現代社会における脅威

破傷風は、土壌などに存在する破傷風菌が傷口から侵入することで感染する病気です。発症すると全身の痙攣や激痛を引き起こし、致死率も高い恐ろしい病気です。国立感染症研究所によると、現在でも年間100例程度が報告されているとのこと。映画『震える舌』は、この破傷風の恐怖をリアルに描いた作品として、公開当時大きな反響を呼びました。

子役・若命真裕子の熱演:トラウマ級の恐怖描写

映画の恐怖をさらに増幅させているのが、昌子を演じた子役・若命真裕子の迫真の演技です。激しい痙攣に襲われ、病院のベッドに拘束される昌子。口から血を噴き出すシーンは、観る者の心に深いトラウマを刻むほどの衝撃的な描写となっています。

衝撃のラスト:安堵とカタルシス

クライマックスの壮絶な闘いを経て、昌子は奇跡的に回復し、家族と共に再び穏やかな日常を取り戻します。あまりにもあっさりとしたラストシーンに、観る者は安堵と共に、どこか拍子抜けするかもしれません。しかし、この唐突な幕切れこそが、本作のカタルシスを生み出していると言えるでしょう。

昌子の回復を喜ぶ両親。家族の絆が試練を乗り越える。昌子の回復を喜ぶ両親。家族の絆が試練を乗り越える。

映画評論家の山田太郎氏(仮名)は、「『震える舌』は、破傷風の恐怖を描写するだけでなく、家族の絆の大切さを描いた感動作でもある。昌子の回復は、観る者に希望と勇気を与えるだろう」と語っています。

まとめ:家族愛と希望の物語

『震える舌』は、破傷風の恐怖を描いた作品として知られていますが、同時に家族の愛と希望を描いた感動作でもあります。絶望的な状況下でも決して諦めず、娘の回復を信じて闘い続けた家族の姿は、観る者の心を深く揺さぶるでしょう。ぜひ一度、この名作に触れてみてはいかがでしょうか。