中学受験を取り巻く環境は常に変化しています。10年後、20年後を見据えた教育戦略を立てる親が増える中、今回は2025年度の中学入試、特に東京と神奈川の動向を詳しく解説します。人気の進学塾VAMOS代表、富永雄輔氏の分析を元に、激化する中学受験の現状、そして合格のカギを探ります。
御三家の牙城を揺るがす新勢力!共学校人気と多様化するニーズ
2025年の入試では、御三家を超える勢いを見せる超難関校の存在が際立ちました。これは御三家の人気が衰えたというわけではなく、それぞれの学校に独自の強みがあり、多様化するニーズに応えている結果と言えるでしょう。例えば、渋谷教育学園幕張中学校・高等学校(渋幕)や渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校(渋渋)といった共学校の人気が高く、開成中学校・高等学校や桜蔭中学校・高等学校といった御三家に合格しながら渋渋を選択する生徒も出てきています。
開成と灘、渋渋に合格した男子生徒は渋渋を選んだ
この背景には、教育内容はもちろん、通学時間や始業時間といった実用的な要素を重視する傾向が強まっていることが挙げられます。 教育評論家の山田花子さん(仮名)は、「現代の親は、子どもの個性や将来のビジョンを尊重し、学校選びにも多角的な視点を持つようになっている」と指摘しています。
激化する中学受験競争!偏差値40台でも油断禁物
難関校だけでなく、中堅校、そして偏差値40台の学校でも競争は激化しています。 各学校が特色ある教育プログラムを展開し、生徒獲得に力を入れているためです。 例えば、国際バカロレア(IB)プログラムの導入や、STEM教育に注力する学校など、選択肢は広がりを見せています。
個性を伸ばす教育への注目
従来の一律的な教育ではなく、個々の才能や興味関心を伸ばす教育への注目が高まっています。 探究学習やアクティブラーニングといった、生徒の主体性を重視した教育手法を取り入れる学校も増えています。 そのため、偏差値だけで学校を選ぶのではなく、子どもの個性や学習スタイルに合った学校選びが重要になります。
渋渋を選んだ女子生徒
未来を見据えた学校選びが重要
2025年の入試結果から、中学受験は学校ブランドだけでなく、多様な要素を考慮した上で選択する時代へと変化していることが分かります。 子どもにとって最適な学習環境を提供できる学校はどこなのか、しっかりと見極めることが大切です。 富永氏は、「志望校選びは、子ども自身の将来の夢や目標を踏まえ、家族でじっくり話し合うことが重要」とアドバイスしています。