トランプ前大統領の発言に反響、天空の王国レソトとは?

レソトという国をご存知でしょうか?アフリカ大陸南部、南アフリカ共和国に囲まれた小さな王国、レソトが今、世界から注目を集めています。ドナルド・トランプ前米大統領が施政方針演説の中でレソトを「誰も聞いたことがない国」と発言したことがきっかけとなり、波紋が広がっています。この記事では、レソトという国について詳しくご紹介し、今回の騒動の背景やレソトの人々の反応について探っていきます。

レソト:知られざる天空の王国

altaltレソトの首都マセル。高地に位置する美しい都市です。(写真:AFPBB News)

レソトは、正式名称をレソト王国といい、人口約230万人の立憲君主制国家です。国土全体が標高1000メートル以上に位置する世界で唯一の国であり、「天空の王国」とも呼ばれています。美しい山岳地帯が広がり、豊かな自然に恵まれた国です。南アフリカ共和国に完全に囲まれた内陸国という地理的な特徴も持っています。

トランプ前大統領の発言とレソトの反応

2024年の米大統領選に向けた共和党予備選の遊説で、トランプ前大統領は対外援助削減を正当化する中で、レソトへのLGBTQI+支援に言及し、「誰も聞いたことがない国」と発言しました。この発言は、レソト政府だけでなく、国民からも強い反発を招いています。

レジョネ・ムポチョワネ外務・国際関係相は、トランプ氏の発言に「驚き、困惑している」と表明。国家元首が他国をこのような形で呼ぶとは予想外だったとして、正式に抗議する意向を示しました。

レソトのジャーナリストで活動家のカナネロ・ボロエツェ氏は、SNSで「天空の王国を聞いたことがないとは? ゴルフばかりしていて気づかないのだろう」と皮肉を交えて反論。「レソトは全土が標高1000メートル以上。あなたの支持率よりも高い」と、レソトへの誇りを示しました。

レソトと米国の関係

実は、米国はレソトの首都マセルに大使館を置き、平和部隊プログラムも実施するなど、両国には一定の関係があります。それだけに、今回のトランプ氏の発言は、レソトの人々にとってより大きな失望感を与えたと言えるでしょう。国際関係の専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の発言は、米国の外交政策におけるレソトの重要性を軽視しているように受け取られかねない」と指摘しています。

レソトの魅力:豊かな自然と文化

レソトは、雄大な山々や渓谷など、息を呑むほど美しい自然景観が魅力です。また、伝統的な文化や手工芸品も豊富で、観光客を魅了しています。経済的には農業や鉱業が中心ですが、近年は観光業にも力を入れています。

今回の騒動は、レソトという国を世界に知らしめる機会となりました。多くの人々がレソトの美しい自然や文化、そして人々の誇り高い精神に触れることで、新たな理解と関心が生まれることが期待されます。