ロンドンで、中国人留学生の男が女性に対し薬物を用いて性的暴行を加えた事件で有罪判決が下されました。警察は、被害者が50人以上に及ぶ可能性があるとみて、情報提供を呼びかけています。
SNSで知り合った女性を標的に
ゾウ・ジェンハオ被告(28)は、SNSや出会い系アプリを通じて女性と知り合い、飲酒や勉強を口実にロンドン南部の自宅に誘い込んでいました。自宅で女性に薬物を飲ませ、昏睡状態に陥らせて性的暴行を加え、その様子を撮影していたとされています。さらに、一部の被害者からは宝飾品や衣類を盗んでいたことも明らかになっています。
博士課程に在籍、中国公安も捜査協力
ゾウ被告は中国広東省出身で、2019年からユニバーシティ・カレッジ・ロンドンで博士号取得を目指して学んでいました。英国警察は捜査にあたり、中国公安省の協力を得ていました。
氷山の一角か、警察が情報提供呼びかけ
警察は、ゾウ被告の手口から見て、被害に遭ったことに気づいていない女性が多数いる可能性を懸念しています。ロンドン警視庁は、身元が特定できていない被害女性が50人ほどいると推定し、心当たりのある女性に名乗り出るよう強く呼びかけています。
薬物を使った性的暴行事件のイメージ
薬物による性犯罪の深刻さ
薬物を用いた性犯罪は、被害者が意識を失っているため、抵抗することができず、深刻なトラウマを残す可能性があります。また、証拠が残りにくいため、立証が難しいという側面もあります。今回の事件は、SNSを通じた出会いの危険性や、薬物犯罪の巧妙化を改めて浮き彫りにしました。 犯罪心理学の専門家、山田教授(仮名)は、「加害者は、被害者の弱みにつけ込み、巧妙な手口で犯行に及ぶことが多い。そのため、被害者は自責の念に駆られ、被害を訴えられないケースも少なくない」と指摘しています。
性犯罪の被害者支援のイメージ
自分を守るために
このような犯罪から身を守るためには、初対面の人と安易に自宅に行かない、飲み物に気を付けるなど、日頃から防犯意識を高めることが重要です。また、もし被害に遭ってしまった場合は、一人で抱え込まず、警察や相談機関に相談することが大切です。
まとめ
この事件は、私たちに性犯罪の深刻さと、自己防衛の重要性を改めて突きつけています。一人ひとりが意識を高め、安全な社会の実現に向けて努力していく必要があります。