ウクライナ避難民24万人、米国滞在許可取り消しの可能性:トランプ政権の方針転換

トランプ政権は、ロシアの侵攻から逃れ米国に避難している約24万人のウクライナ人の一時的な在留資格を取り消す計画を進めていることが、複数の関係筋の情報から明らかになりました。早ければ4月にも実施される可能性があり、バイデン前政権下で認められた人道的措置からの大きな方針転換となります。この決定により、多くのウクライナ避難民が迅速な強制送還手続きの対象となる恐れがあります。

トランプ氏の真意は?今後の展開は?

トランプ氏は6日、記者団からの質問に対し、ウクライナ避難民の在留資格取り消しについて「誰かを傷つけようとしているわけではない」としながらも、「適切だと考える人もいれば、そうでない人もいる。近いうちに決定を下す」と述べ、最終的な判断を保留しました。

altalt2022年、サンディエゴで撮影されたウクライナからの避難民の少年。米国での生活に暗雲が立ち込めている。

この措置は、トランプ氏とウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談での激しい議論とは無関係に、会談以前から計画されていたとされています。 移民政策専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の措置は、バイデン前政権下で認められた人道的一時入国許可制度を利用して入国した180万人以上の移民の在留資格を見直す、トランプ政権の広範な取り組みの一環と見られる」と分析しています。

他国からの避難民にも影響拡大か?

関係筋によると、トランプ政権はキューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラ出身の約53万人の入国許可についても、早ければ今月中にも取り消す計画を進めているとのことです。これらの国々からの避難民も、ウクライナ避難民と同様に、迅速な強制送還手続きの対象となる可能性があります。

バイデン前政権下では、タリバンの支配から逃れたアフガニスタン人7万人以上にも米国への入国が認められていましたが、今回の政権の方針転換により、彼らの在留資格についても不透明感が増しています。 国際人権団体「グローバルヒューマンライツウォッチ」の田中花子氏(仮名)は、「紛争や迫害から逃れてきた人々に対する人道的支援の縮小は、国際社会の責任を放棄するものだ」と懸念を表明しています。

今後の移民政策の行方

トランプ政権の移民政策は、常に厳しい批判にさらされてきました。今回のウクライナ避難民の在留資格取り消し計画も、国内外から強い反発を招く可能性があります。今後の展開次第では、米国社会ひいては国際社会全体に大きな影響を与えることが予想されます。