【北京=三塚聖平】日本、中国、韓国の3カ国による教育相会合が10日、北京の釣魚台迎賓館で開かれた。会合終了後に公表された共同声明では、「3カ国の若者の間で相互理解を促進することの重要性」などが確認された。日中韓3カ国で議論になってきた歴史認識問題については、今回は話題にのぼらなかったという。
会合には萩生田光一文部科学相、中国の陳宝生教育相、韓国の兪銀恵社会副首相兼教育相が出席した。会合後、記者団の取材に応じた萩生田氏は「日中韓3カ国での教育協力のあり方や、共有する課題などについて大変有意義な意見交換を行った」と強調した。
萩生田氏は同会合に合わせて、中国の陳氏、韓国の兪氏とそれぞれ個別会談も行った。歴史認識や歴史教育について、3カ国会合や個別会談でやり取りはなかったと萩生田氏は説明した。
2018年3月に東京で開かれた日中韓教育相会合では、韓国が冒頭のあいさつで「過去を顧み、辛い歴史を乗り越えるとともに前進することが何より重要だ。若者たちが正しい歴史認識と相互尊重の姿勢を学ぶことができるよう歴史的真実を共に確立していくべきだ」と発言していた。
3カ国による教育相会合は、15年の日中韓首脳会談で開催が決まり、16年1月に韓国・ソウルで初会合が開かれた。今回は3回目の開催となる。