日本の病院では、日々様々な手術が行われています。その中で、白内障手術は、短時間で終わる手術として知られています。この記事では、現役医師の視点から、白内障手術の舞台裏を詳しく解説し、その実態に迫ります。手術の流れや看護師の役割、そして当時の麻酔方法まで、リアルな現場の様子をお届けします。
白内障手術:驚きの手術件数
眼科の手術室は、常に慌ただしい雰囲気に包まれています。その理由は、白内障手術の多さです。午前と午後それぞれ4件、1日に8件もの手術が行われることも珍しくありません。しかも、これが週に2回というのですから、その件数の多さに驚かされます。
白内障手術のイメージ
手術が終わると、患者はストレッチャーで運び出され、すぐに次の患者が運び込まれます。まるで流れ作業のように、次々と手術が行われていくのです。この様子は、まるで「お祭り」のようだと、ある看護師は語っていました。「お祭り手術」と呼ばれる所以です。
看護師の役割:器械出しと外回り
白内障手術では、看護師は「器械出し」と「外回り」の2つの役割に分かれて手術をサポートします。器械出し看護師は、手術に必要な器械を準備し、医師に手渡す役割を担います。一方、外回り看護師は、手術室全体の環境を整え、手術がスムーズに進むようにサポートします。
多忙な手術室では、看護師たちは常に緊張感を持ちながら、それぞれの役割を全うしています。
過去の麻酔方法:球後麻酔とは?
かつて、白内障手術では「球後麻酔」という方法が用いられていました。これは、眼科医が自ら麻酔を行う方法で、フック状の針を患者の上まぶたに刺し、目玉の後ろに麻酔薬を注入するというものです。
眼球の構造
この方法は、現在ではほとんど行われていません。現代では、点眼麻酔が主流となっており、患者への負担も軽減されています。 当時の医療現場を知る医師、例えば佐藤先生(仮名)は、「球後麻酔は患者にとって負担が大きかった。点眼麻酔への移行は、医療技術の進歩と言えるだろう。」と語っています。
手術の流れ:30分のスピード手術
白内障手術は、わずか30分ほどで完了します。角膜を切開し、濁った水晶体を取り出し、人工レンズを挿入するという流れです。取り出された水晶体は、白い肝油ドロップのような見た目です。
人工レンズには固定用の突起が付いているため、挿入するだけで固定されます。このように、白内障手術は比較的簡単な手術と言えるでしょう。
まとめ:白内障手術の今
この記事では、白内障手術の舞台裏をご紹介しました。かつては「球後麻酔」といった方法が用いられていましたが、現在では点眼麻酔が主流となり、患者への負担も軽減されています。30分という短時間で完了する白内障手術は、まさに現代医療の賜物と言えるでしょう。