若者の恋愛・結婚離れ:出会いはあるのに、なぜ結婚しない?

現代日本では、少子化が深刻な社会問題となっています。子どもを望む人がいても、結婚に至らない、あるいは結婚しても子どもを持たないケースが増えています。結婚は人生における大きな転換期であり、子どもを持つための第一歩と考える人も多いでしょう。しかし、現代の若者は結婚に対して消極的になっているようです。

出会いの定義の変化:SNS時代の「出会い」とは?

子ども家庭庁の調査によると、未婚者の多くは結婚願望を持っているものの、年齢が上がるにつれてその割合は減少しています。近年の調査では、結婚しない理由として「出会いがない」という声がよく聞かれます。しかし、慶應義塾大学の阪井裕一郎准教授は、現代社会は出会いの機会が増えているにも関わらず、若者が「出会いがない」と訴えることに疑問を呈しています。阪井准教授によると、学生たちは「出会い」を「認定」できないケースが多いようです。

若者とスマートフォン若者とスマートフォン

SNSやマッチングアプリの普及により、私たちは多くの人と繋がることができるようになりました。しかし、このような手軽な出会いは、必ずしも「真の出会い」とは認識されないようです。結婚を前提とした真剣な出会いを求める若者にとって、オンライン上での出会いは、どこか表面的なものに感じられるのかもしれません。

結婚へのハードル:経済的不安、価値観の多様化

結婚をためらう理由には、経済的な不安も大きく影響しています。安定した収入が得られない、将来への不安から結婚に踏み切れない若者が増えています。また、結婚に対する価値観の多様化も、結婚離れの要因の一つと言えるでしょう。結婚という形にこだわらず、パートナーシップの形も多様化しています。

経済的不安:安定した生活設計への壁

晩婚化・非婚化の背景には、経済的な不安定さが挙げられます。正規雇用が減少する一方で、非正規雇用の割合が増加し、収入の不安定さが若者の結婚へのハードルを上げています。「結婚=安定」という従来の価値観は薄れつつあり、経済的な基盤がなければ結婚に踏み切れないという現実があります。

価値観の多様化:結婚という形への変化

結婚にこだわることなく、事実婚や同棲など、多様なパートナーシップの形を選択する人が増えています。個人の自由や多様性が尊重される現代社会において、結婚という形にとらわれず、自分らしい生き方を選ぶ人が増えていることは、自然な流れと言えるでしょう。

結婚観の変化:未来への希望と不安

結婚は人生における大きな決断です。若者が結婚に対して慎重になっているのは、将来への希望と不安が入り混じっているからかもしれません。結婚のハードルを下げ、安心して結婚・出産できる社会の実現に向けて、社会全体での取り組みが求められています。

結婚指輪結婚指輪

結婚、出産、子育てを取り巻く環境は常に変化しています。結婚観も時代と共に変化していくのは当然のことでしょう。結婚という人生の選択について、それぞれの価値観を尊重し、多様な生き方を認め合う社会の実現が重要です。