【ラーメン通の意外な真実】「麺かため」注文の本当の理由とは?

ラーメン、特に博多豚骨や家系ラーメンを食べる際、「麺かため」「味濃いめ」と注文する人は多いのではないでしょうか。実は筆者もかつてはその一人でした。しかし、お店のベストな一杯は、本来デフォルトの「普通」で提供されるはず。なぜ私たちはバランスを崩してまで、カスタマイズを求めてしまうのでしょうか?この記事では、「麺かため」注文の背景にある心理を探り、ラーメン通の意外な真実を解き明かします。

博多ラーメンと「麺かため」の密接な関係

altalt赤坂の博多ラーメン店「博多ラーメン 和」の博多豚骨ラーメン。麺の硬さが選べるのが博多ラーメンの特徴。(写真提供:筆者)

博多豚骨ラーメンを提供する「博多ラーメン 和」の馬場圭佑店主にお話を伺いました。「麺かため」の注文が多い理由について、馬場店主は次のように語ります。

「当店では、『かための方が通っぽい』『格好良く感じる』という声をよく耳にします。『麺かため』が、お客様にとっての“理想の注文方法”になっているようです。博多ラーメン=バリカタというイメージが定着し、郷に入っては郷に従えの精神で、その文化を楽しもうとしているのかもしれません。」

つまり、本当に「かため」が好きなのではなく、”通”を気取ったり、博多ラーメン文化への参加意識から注文している可能性があるというのです。

馬場店主はさらに、興味深い点を指摘します。

「外国人のお客様は、『普通』か『柔らかめ』を選ぶ方が9割以上を占めます。麺単体で考えれば、しっかり茹でた方が美味しいはず。しかし、多くのお客様が求めているのは、麺そのものの味ではなく、“博多ラーメンらしさ”という文化体験なのです。」

“普通”こそ至高?ラーメン店主のこだわり

ラーメン店にとって、デフォルトの「普通」こそ、スープ、麺、具材のバランスが最も取れた、最高の状態であるはずです。 例えば、有名ラーメン評論家、田中一郎氏は、「ラーメンは繊細な料理。店主が丹精込めて作り上げたバランスを崩さずに味わうことが、真のラーメン通と言えるでしょう」と述べています。

自分好みの味を追求する楽しみ

altalt様々な硬さの麺。自分好みの硬さを探すのもラーメンの楽しみの一つ。(画像はイメージです)

もちろん、「麺かため」「味濃いめ」といったカスタマイズを否定するわけではありません。 自分の好みに合わせて味を調整できるのは、博多豚骨や家系ラーメンの魅力の一つ。二郎系ラーメンの「ニンニク入れますか?」も同様です。重要なのは、お店のデフォルトの味を知った上で、自分にとってのベストな一杯を探求することではないでしょうか。

まとめ:ラーメンの奥深さを楽しむ

今回の記事を通して、「麺かため」注文の背景には、文化への憧れや自己表現といった様々な心理が隠されていることが分かりました。まずは「普通」でお店の味を堪能し、そこから自分好みのカスタマイズを探求してみてはいかがでしょうか。ラーメンの奥深さを、ぜひご自身で体験してみてください。