日本の未来を担う若者世代が自民党に背を向けている。産経新聞とFNNの合同世論調査によると、18歳から39歳までの支持率が過去最低を記録。30代では国民民主党、れいわ新選組にも後れを取る結果となった。この若者離れは、自民党の将来に暗い影を落としている。そんな中、岩田温氏の著書『自民党が消滅する日』(産経新聞出版)が注目を集めている。Amazonランキングで「選挙」カテゴリー1位を獲得するなど、大きな反響を呼んでいるのだ。41歳の岩田氏は、保守系YouTuber、政治学者として活躍する一方、かつての熱烈な自民党支持者という顔も持つ。彼は今、自民党の現状に警鐘を鳴らし、「このままでは自民党は消滅する」と警告を発している。夏の参院選を前に、各地の保守系議員の勉強会でテキストとして採用されている本書の内容を、一部抜粋・再構成してお届けする。
過去の自民党危機と保守主義の精神
1998年の参院選で、橋本龍太郎首相率いる自民党は惨敗し、退陣に追い込まれた。当時、私は日本の将来を悲観し、涙を流した。自民党の敗北は、日本の悪化を意味すると考えていたからだ。25年が経ち、自民党は消滅せず、日本も滅亡していない。民主党政権誕生という予想外の出来事もあったが、自民党は生き残ってきた。私は、自民党が消滅する日は来ないと信じて疑わなかった。
1998年の橋本龍太郎首相
しかし、2022年7月8日、安倍晋三元首相が凶弾に倒れた。この日を境に、日本の歯車は狂い始めた。集団的自衛権の限定的な行使容認という戦後日本の課題を解決した安倍元首相は、保守主義の精神に基づいた政治家だったと言えるだろう。保守主義とは、自国に生まれた宿命を受け入れ、歴史を尊重し、将来世代に繁栄した国を遺すことである。この精神こそが、保守政党である自民党の根幹を成すべきものだ。
若者世代の政治意識の変化と自民党の課題
現代の若者世代は、インターネットを通じて多様な情報に触れ、政治に対する意識も変化している。既存の政党に囚われず、政策や政治家の姿勢を冷静に見極めようとする傾向が強まっている。このような状況下で、自民党は若者世代の支持を取り戻すために、どのような対策を講じるべきなのか。岩田氏は、自民党が保守主義の原点に立ち返り、国民の声に真摯に耳を傾けることが重要だと指摘する。
自民党の未来への提言
岩田氏の著書『自民党が消滅する日』は、自民党の現状に警鐘を鳴らすだけでなく、未来への提言も示している。党内の世代交代の促進、政策の透明化、国民との対話の強化など、具体的な改革案が提示されている。これらの提言は、自民党だけでなく、日本の政治全体にとっても重要な示唆を与えていると言えるだろう。政治学者の加藤一郎氏(仮名)は、「岩田氏の著書は、日本の政治の未来を考える上で必読の書だ」と高く評価している。
自民党は、岩田氏の警告を真摯に受け止め、党改革に取り組む必要がある。若者世代の支持を失ったままでは、自民党の未来は暗い。日本の未来のために、自民党の変革に期待したい。