歌舞伎界の重鎮、十三代目市川團十郎白猿襲名から2年以上。伝統芸能の継承者として、そして一人の父親として、彼は今何を思い、どのような挑戦を続けているのでしょうか。jp24h.comは、團十郎氏に独占インタビューを行い、歌舞伎の未来、子供たちへの想い、そして亡き妻・麻央さんへの愛について語っていただきました。
市川團十郎という重責と、変化する時代への対応
歌舞伎の歴史において、市川團十郎という名は特別な重みを持ちます。江戸歌舞伎の礎を築いた大名跡であり、その名は代々、「新之助」「海老蔵」「團十郎」と継承されてきました。團十郎氏自身も幼い頃からその宿命を自覚し、シミュレーションを重ねてきたと言います。
そして2022年、彼が十三代目市川團十郎白猿を襲名すると、息子もまた同じ道を歩み始めました。父から子へ受け継がれる「團十郎」という教育、それは厳しい稽古と家の芸の継承という使命を伴います。
十三代目市川團十郎白猿
しかし、時代は常に変化しています。かつてのイケイケドンドンな時代とは異なり、現代社会において子供たちは多面的に生きるべきだと團十郎氏は語ります。伝統を継承する使命と、時代の変化への対応、その両立の難しさについて、彼はどのように考えているのでしょうか。
伝統と現代社会のバランス
「こうしなさい」「こうあるべき」という押し付けが通用しない現代において、子供たちへの教育は容易ではありません。團十郎氏自身も、父や祖父の時代とは異なるアプローチで子供たちと向き合っています。
厳しさの中にも明確な指針を示すこと、それが伝統芸能を継承していく上で重要だと彼は考えています。「良いこと」「悪いこと」を明確に伝えることで、子供たちはそれぞれの歌舞伎の家の中で、それぞれの道を歩んでいくのでしょう。
新しい挑戦、歌舞伎の未来への展望
伝統を継承しながらも、現状に甘んじることなく、常に新しい挑戦を続ける團十郎氏。その姿勢は、彼の芸への探求にも表れています。最新作の舞台『SEIMEI』では、歌舞伎の要素を取り入れながら、LUNA SEAのSUGIZO氏による楽曲、世界的ダンサーのケント・モリ氏による振付など、現代的なエンターテインメントに挑戦しています。
市川團十郎白猿の舞台
この挑戦は、彼自身の「新しいことをしたい」という思いと、現状打破への強い意志の表れと言えるでしょう。歌舞伎の未来を見据え、常に進化を続ける團十郎氏の姿は、私たちに多くの感動と刺激を与えてくれます。
亡き妻・麻央さんからの愛と影響
團十郎氏の人生に大きな影響を与えたのが、妻・麻央さんの存在です。麻央さんの闘病生活は、彼に多くのことを教えてくれました。それは「愛」の深さ、そして人生の儚さ。その経験が、今の彼を支え、未来へと導いているのではないでしょうか。
歌舞伎界の未来を担う團十郎氏の挑戦は、これからも続いていきます。伝統と革新、そして家族への愛。彼の舞台には、それらが全て詰まっているのです。