80年代後半から90年代前半、アメリカに住んでいた私は、日米の「イケメン」「美女」の基準の違いに衝撃を受けました。日本で人気のあったアーティストが、アメリカではそれほど評価されていなかったのです。この記事では、当時の経験を元に、日米の美的感覚の違いを探ります。
アメリカで「イケてる」の基準とは?
アメリカでは、「She’s so sexy!」「She is HOT!!!」といった表現で女性の魅力を表現します。男性の場合は、それに加えて「He is so muscular(彼は強そうないい体をしている)」といった表現も使われます。
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例えば、オードリー・ヘップバーンは、日本では「ティファニーで朝食を」「ローマの休日」で絶大な人気を誇りますが、アメリカの同級生は「誰それ?」という反応でした。彼女は可愛らしいタイプで、「セクシー」「HOT」というイメージとは異なるからです。彼らが「イケてる」と評価するのは、ミシェル・ファイファーやシェールのような女性でした。
男性芸能人の人気:日米比較
男性芸能人についても、日米で人気の俳優が異なっていました。日本で人気のマイケル・J・フォックスやトム・クルーズよりも、メル・ギブソン、ブルース・ウィリス、リチャード・ギア、チャーリー・シーンの方が「イケてる」とされていました。
音楽アーティストでも同様の傾向が見られました。日本で人気のあったジョン・ボン・ジョビ、ボーイ・ジョージ、デュラン・デュラン、リチャード・マークスよりも、U2のボノ、ブルース・スプリングスティーン、ロッド・スチュワート、デビッド・リー・ロスの方が高く評価されていました。
KISSのボーカル、ポール・スタンレーは、アルバムの裏表紙やミュージックビデオで胸毛を強調した姿を披露し、「素敵!」とされていました。これは、日本の美的感覚とは大きく異なる点と言えるでしょう。
文化の違いが反映された美的感覚
有名料理研究家のA氏は、「食文化と同様に、美的感覚も文化によって大きく異なる」と指摘しています。アメリカでは、健康的な肉体美や自己主張の強さが魅力とされる傾向があるのに対し、日本では可愛らしさや繊細さが重視される傾向があります。
これらの違いは、それぞれの文化が持つ価値観や歴史的背景を反映していると考えられます。例えば、アメリカのフロンティア精神は、力強さや自立心を重視する文化を育んできたのかもしれません。一方、日本の伝統文化は、協調性や繊細さを重視する傾向があります。
まとめ:多様な美しさを受け入れる
日米の美的感覚の違いは、それぞれの文化の独自性を示す興味深い現象です。どちらが良い悪いではなく、多様な美しさを受け入れることが大切です。「セクシー」も「可愛い」も、それぞれの魅力があります。文化の違いを理解することで、より広い視野で美しさを感じることができるのではないでしょうか。