新橋駅。サラリーマンの聖地として知られるこの駅には、実は日本の鉄道史を語る上で欠かせない、深く豊かな歴史が刻まれています。今回は、山手線JY29、新橋駅の駅名の由来とその歴史、そして鉄道発祥の地としての物語に迫ります。
鉄道発祥の地、新橋停車場
初代新橋停車場の様子。1872年開業。
1872年、日本初の鉄道が開業。新橋~横浜間を結ぶ予定でしたが、工事の遅延により品川~横浜間で仮開通。その後、同年10月14日に新橋停車場が開業し、鉄道も正式に開通しました。この日が「鉄道記念日」に制定されたことから、新橋は「鉄道発祥の駅」として広く知られています。
開業当初の駅は、現在のゆりかもめ新橋駅付近に位置し、「新橋停車場」と呼ばれていました。江戸時代には複数の藩の屋敷があったこの地が、外国人居留地が築地にできたことで商業発展を促すため、鉄道駅建設地として選ばれました。歴史学者である山田教授(仮名)は、「当時の新橋は、まさに近代化の象徴だったと言えるでしょう」と語っています。
開業直前の旧新橋停車場。1872年。
現在、ゆりかもめ新橋駅北側には鉄道歴史展示室があり、当時の新橋停車場の駅舎が復元されています。当時の賑わいを感じることができる貴重な資料も展示されており、鉄道ファン必見のスポットです。
烏森駅から新橋駅へ:駅名の変遷
復元された旧新橋停車場。2003年撮影。
1909年、山手線の正式名称決定に伴い、烏森駅、浜松町駅、田町駅が開業。これにより、貨物は新橋停車場、旅客は烏森駅と役割が分担されました。その後、1914年に新橋停車場は汐留駅に、烏森駅は新橋駅に改称され、現在に至ります。
1873年の新橋停車場を描いた錦絵。ホームの賑わいが描かれている。
新橋駅の変遷は、東京の発展と密接に関係しています。鉄道ジャーナリストの佐藤氏(仮名)は、「新橋駅の進化は、東京の都市開発の歴史を映し出していると言えるでしょう」と述べています。
新橋駅の今と昔:発展を続けるサラリーマンの街
明治11年の新橋停車場の利用状況を記した資料。
現在、新橋駅周辺は多くの企業が集まるビジネス街として栄え、サラリーマンの街として広く知られています。古くからの歴史と近代的な街並みが融合した新橋は、常に進化を続けています。
1930年頃の旧烏森駅付近の様子。上部にホームと線路が見える。
新橋駅の歴史に触れることで、日本の鉄道史、そして東京の発展をより深く理解することができます。次回の東京訪問では、ぜひ新橋駅に立ち寄り、その歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。