アメリカの宇宙企業インテュイティブ・マシーンズが開発した無人月着陸船「アテナ」の月面ミッションが終了しました。月の南極で水を探すという歴史的なミッションに挑戦しましたが、着陸後に横転し、再充電が不可能になったためです。
アテナの月面着陸とミッション終了の経緯
2024年2月6日、アテナは月面に着陸しました。これは民間企業による初の月面着陸として大きな期待を集めていましたが、着陸後に横転していることが確認されました。太陽光パネルが太陽の方向を向かず、極寒の月の環境下でバッテリーが消耗したため、再充電は不可能と判断され、ミッションは終了しました。
alt月面で横転したアテナ。再充電は不可能と判断された。
短時間ながらもデータ送信に成功:南極到達という偉業
インテュイティブ・マシーンズは、アテナが予定通りには稼働しなかったものの、着陸後に短時間ながらもデータ送信に成功したことを強調しています。これにより、アテナはこれまでで最も南に位置する月面着陸および月面活動を実現した機体となりました。
NASAの搭載機器は作動:月の水探査に光明
アテナには、NASAが開発した月面掘削ドリル「PRIME-1」など、複数の観測機器が搭載されていました。NASAによると、PRIME-1は移動が可能であり、過酷な宇宙環境下でも機器が最大限に稼働することを実証しました。また、月の土壌を分析し水の兆候を探すセンサーも作動し、アテナの推進システムから放出されたガスによるとみられる成分を検知したとのことです。宇宙探査の専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「アテナのミッションは短期間で終了したものの、得られたデータは今後の月探査にとって貴重な財産となるでしょう」と述べています。
今後の月探査への期待
アテナのミッションは残念な結果となりましたが、民間企業による月面着陸という大きな一歩を踏み出しました。今回の経験を活かし、今後の月探査ミッションの成功に繋がることを期待します。 宇宙開発競争が激化する中、日本のJAXAも月探査計画を進めています。アテナのミッションから得られた知見は、日本の月探査にも役立つと考えられます。