小学校時代は、子どもの成長に親の影響が大きく反映される時期です。ベネッセ教育総合研究所の調査結果にもあるように、この時期の子育てには「感情的な子どもへの対応」「他の子との比較による不安」「褒美に頼ってしまう」といった悩みがつきもの。では、自分で考えて学ぶ子を育てるには、どのような声かけが効果的なのでしょうか？ 本記事では、教育現場の声と心理学の知見に基づき、褒美よりも大切な声かけのポイントを解説します。
結果ではなく過程を評価する声かけ
「褒美がないとやらない」「ついつい褒美で釣ってしまう」多くの親が抱えるこのジレンマ。心理学的には、褒美によって意欲を高めることを「外発的動機づけ」と言います。一方、「楽しい」「やりたい」といった内側から湧き出る意欲は「内発的動機づけ」と呼ばれます。
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子どもがテストで100点を取った時、「すごいね！100点！」と結果だけを褒めるのではなく、「どんな工夫をしたの？」「どこが難しかった？」と過程に焦点を当てた声かけを意識してみましょう。過程を評価することで、子どもは「自分の努力が認められた」と感じ、次への挑戦意欲、つまり内発的動機づけにつながります。 教育心理学者の山田先生（仮名）も、「結果への執着ではなく、学習プロセスへの関心を育むことが、真の学力向上につながる」と指摘しています。
外発的動機づけを効果的に活用する
外発的動機づけは褒美だけでなく、叱責も含まれます。ベネッセの調査では、「叱られたくないから勉強する」という子どもが増加傾向にあるそうです。大切なのは、内発的動機づけを重視しつつ、外発的動機づけを効果的に活用することです。
褒美を与える場合は、子どもだけでなく家族全員が喜べるものを選ぶのがポイント。「家族で遊園地に行く」「みんなでケーキを食べる」など、共有体験を通して、子どもは「人のために頑張る」喜びを学ぶことができます。
内発的動機づけを高める声かけと自己効力感
心理学者のアルバート・バンデューラの「社会的学習理論」では、自己効力感が重要視されています。自己効力感とは「自分ならできる」という感覚。子どもは親の反応を観察し、肯定的なフィードバックを受けることで自己効力感を高め、内発的動機づけが促進されます。
「できた」「できなかった」という結果だけでなく、子どもの努力や工夫を認め、励ます声かけを心掛けましょう。 例えば、「難しい問題に挑戦したね！」「粘り強く取り組んだね！」といった声かけは、子どもの自己肯定感を育み、更なる挑戦を後押しします。
子どもの可能性を広げる声かけ
子どもは無限の可能性を秘めています。結果にとらわれず、過程を評価し、努力を認める声かけを続けることで、子どもたちは自ら考え、学び、成長していくでしょう。 子育てに正解はありませんが、子どもの「考える力」を育む声かけは、明るい未来への大きな一歩となるはずです。
