新宿路上ライブ配信中の女性刺殺事件:容疑者は金銭トラブルを供述

東京・新宿区の路上で女性が刺殺される痛ましい事件が発生しました。被害者はライブ配信中に襲われ、搬送先の病院で死亡が確認されました。警視庁は栃木県小山市の高野健一容疑者(42)を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕。その後、容疑を殺人に切り替え捜査を進めています。

事件の概要と容疑者の供述

事件は11日午前、新宿区歌舞伎町の路上で発生。被害者は東京都多摩市の佐藤愛里さん(22)で、当時ライブ配信を行っていました。高野容疑者は佐藤さんの配信を見て居場所を特定し、襲撃したと供述しています。

新宿区歌舞伎町の路上で女性が刺された事件現場付近を調べる警視庁の捜査員新宿区歌舞伎町の路上で女性が刺された事件現場付近を調べる警視庁の捜査員

高野容疑者は佐藤さんと2021年に動画配信を通じて知り合い、2022年頃から金銭の貸し借りがあったと供述。「200万円を超える金を貸したが返済されず、トラブルになっていた」と主張し、金銭トラブルが犯行の動機とみられています。高野容疑者は昨年1月、栃木県警に相談していたことも明らかになりました。捜査関係者によると、佐藤さんも金銭トラブルに関して都外の警察に相談していたとのことです。

現場の状況と目撃情報

高野容疑者は現場でサバイバルナイフ2本を所持しており、1本には血痕が付着していました。もう1本はリュックサックの中に入っていたとのこと。佐藤さんは歩行中に襲われ、複数箇所を刺されました。

現場付近に居合わせた40代会社員の男性は、黒の帽子とマスク姿の男が倒れている女性にスマートフォンを向けているのを目撃したと証言しています。この男が佐藤さんを殴るような動作をしていたとも話しており、警視庁は目撃情報などから事件の詳しい状況を調べています。

犯罪心理学専門家の見解

犯罪心理学専門家の田中一郎氏(仮名)は、「オンラインでの人間関係のもつれが、現実世界での凶悪犯罪につながるケースが増加している。特に金銭の貸し借りはトラブルに発展しやすい。SNSなどを通じて知り合った相手との金銭のやり取りには十分な注意が必要だ」と警鐘を鳴らしています。

今後の捜査の焦点

警視庁は、高野容疑者の供述の裏付けを進めるとともに、佐藤さんとの間の金銭トラブルの詳細や、犯行に至るまでの経緯を詳しく調べています。また、押収したスマートフォンなどの解析を進め、事件の全容解明を急いでいます。

今回の事件は、オンラインでの人間関係が現実世界での凶悪犯罪につながる危険性を改めて浮き彫りにしました。インターネット上での交流が増える中、一人ひとりが安全意識を高め、トラブルに巻き込まれないよう注意することが重要です。