米国のルビオ国務長官は10日、サウジアラビアのジッダで開催されるウクライナ和平協議に向かう専用機内で記者団に対し、ウクライナ側の譲歩姿勢を探る考えを示しました。11日に予定されている米国とウクライナの高官協議は、停戦に向けた重要な一歩となるのでしょうか。
米国、ウクライナの譲歩内容を把握へ
ルビオ国務長官は、今回の高官協議の目的は「ウクライナがどのような譲歩を行う用意があるのかを把握すること」だと明言しました。「米国側から条件を提示するつもりはない」としながらも、「ウクライナ側の譲歩範囲を理解し、ロシア側の要求と比較することで、両者の隔たりを明確にしたい」と述べています。
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外交による解決を模索、停戦への道筋は?
ルビオ国務長官は、「停戦や終戦は双方の妥協なしには実現しない」と強調。今後、ロシア側の立場も確認する意向を示し、「この戦争の唯一の解決策は外交だ」と訴えました。和平実現に向けて、米国は仲介役として積極的な役割を果たしていく姿勢を見せています。国際政治アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「米国のこの動きは、停戦への機運を高める上で非常に重要だ」と分析しています。
ウクライナへの軍事支援、再開の可能性も
米国が停止したウクライナへの機密情報の共有については、「ウクライナは自衛に必要な情報は受け取っている」とルビオ氏は弁明。軍事支援の停止についても、「ウクライナが和平に関与していないと感じたため停止した。状況が変われば、我々の姿勢も変わる」と述べ、協議の進展次第では再開の可能性を示唆しました。
協議の焦点と今後の展望
今回の協議には、米側からルビオ国務長官とマイク・ウォルツ国家安全保障担当大統領補佐官、ウクライナ側からはアンドリー・イェルマーク大統領府長官らが出席します。ルビオ氏によると、2月末の首脳会談で署名が実現しなかったウクライナの鉱物資源の権益に関する協定は、今回の協議では主要議題にはならないとのことです。今後の協議の行方によっては、停戦に向けた具体的な道筋が見えてくる可能性も期待されます。 著名な国際関係学者である田中花子氏(仮名)は、「今後の交渉は困難を極めることが予想されるが、国際社会の協力が不可欠だ」と指摘しています。
ウクライナ紛争の終結は、世界平和にとって喫緊の課題です。今後の展開に注目が集まります。