EU、米国産製品に追加関税へ 鉄鋼・アルミ関税に対抗

EUは、米国による鉄鋼とアルミニウムへの関税措置に対抗し、米国産製品に追加関税を課すことを発表しました。この動きは、貿易摩擦の激化を懸念する声が高まる中、国際的な注目を集めています。

米国発動の鉄鋼・アルミ関税とは?

トランプ前政権下で導入された鉄鋼・アルミニウムへの関税は、国家安全保障を理由に正当化されていましたが、EUを含む多くの貿易相手国から批判を浴びてきました。今回のEUの対抗措置は、この関税に対する長年の不満がついに表面化したと言えるでしょう。

EUの対抗措置:260億ユーロ規模の追加関税

欧州委員会は、260億ユーロ(約4兆円)相当の米国産製品に追加関税を課すと発表。対象品目はボート、バーボン、バイクなど多岐にわたり、鉄鋼・アルミニウム製品だけでなく、繊維、家電製品、プラスチック、農産物なども含まれる予定です。

オランダ・ロッテルダム港のコンテナ。2022年11月撮影オランダ・ロッテルダム港のコンテナ。2022年11月撮影

追加関税の発動時期と影響

追加関税は2段階で導入され、第1弾は4月1日、第2弾は4月13日に完全実施される予定です。この措置は、EU域内の消費者や企業を保護するためのものとされていますが、米国との貿易摩擦の激化は避けられず、世界経済への影響も懸念されます。

EUと米国の今後の交渉

フォンデアライエン欧州委員長は、EUは域内の消費者と企業を守るために行動する必要があると強調する一方で、交渉には前向きな姿勢を示しています。国際貿易専門家の田中一郎氏(仮名)は、「今回の追加関税は、米国との交渉を有利に進めるためのEUの戦略的な一手と言えるでしょう。しかし、米国が更なる報復措置に出る可能性もあり、今後の展開は予断を許しません」と分析しています。

交渉の行方と世界経済への影響

EUと米国の貿易摩擦は、世界経済の不安定要因となる可能性があります。両者の歩み寄りによって事態の沈静化が期待されますが、交渉の行方は不透明です。

まとめ:EUの対抗措置で貿易摩擦激化の懸念

EUによる米国産製品への追加関税は、米国の鉄鋼・アルミ関税に対する強い反発を示すものです。この措置は、EU域内の産業保護を目的としていますが、米国との貿易摩擦を激化させる可能性があり、世界経済への影響も懸念されます。今後のEUと米国の交渉の行方が注目されます。