「地元協力金」名目で和歌山市発注事業の落札業者から現金30万円を詐取したとして、芦原地区連合自治会長、金井克(よし)諭(ゆ)暉(き)(本名・金正則)容疑者(63)が逮捕された事件。産経新聞の取材に対し、別の複数の業者も協力金を要求されたと次々に証言した。一方、市職員も金井容疑者夫妻の経営するスナックのパーティー券を庁舎内で販売していたことが判明。金井容疑者と市職員の間で長年続いてきた“癒着”の実態が浮かび上がる。
■市施設内で要求
平成25年に市発注の芦原地区内の事業を落札した業者は、市の担当幹部ら5~6人に連れられ、金井容疑者のもとへ「あいさつ」に訪れたと証言する。
「夏祭りの協力金がほしい。多ければ多い方がいいが、できる範囲でいい」と金井容疑者に要求された。地区に盛大な夏祭りもあったため「地区のためなら」と約1万円を寄付。連合自治会名義の領収書を受け取ったという。
28年に受注した別の業者も同様に市職員らと金井容疑者のもとを訪れた。
市施設内の応接室で面会した金井容疑者は突然、市職員に「何しにきたんや、帰れ、お前!」と怒鳴りつけた。市職員が退席し業者と2人きりになると「(落札額の)3%でいいから協力金を支払ってほしい」と要求。業者は「払わなければ嫌がらせを受けるかも」と後日、現金数十万円を渡した。市職員に相談すると、「なかったことにしてくれ」と言われたという。
■パー券50~60人分一括