韓国造船会社、米海軍艦艇整備で高評価!ハンファオーシャン、ウォリー・シラー号のMR0事業を成功裏に完了

ハンファオーシャンが、韓国の造船会社として初めて米海軍艦艇の維持・補修・整備(MR0)事業を完了し、新たな一歩を踏み出しました。これは、老朽化が進む米海軍艦艇の整備強化の流れを受け、今後の韓国造船業界にとって大きなビジネスチャンスとなる可能性を秘めています。この記事では、ハンファオーシャンの快挙と、その背景にある日米韓の造船業界の動向について詳しく解説します。

ハンファオーシャン、ウォリー・シラー号のMR0事業を完了!その詳細とは?

ハンファオーシャンは2024年3月13日、米海軍軍需支援艦「ウォリー・シラー号」の整備を完了し、巨済造船所から出港したことを発表しました。ウォリー・シラー号は、戦闘艦への物資供給を担う全長210メートル、全幅32.3メートル、排水量約4万トン級の大型艦艇です。昨年9月2日の入港から約6ヶ月、193日間におよぶ整備作業でした。

altaltウォリー・シラー号の出港の様子と入港当時の様子。ハンファオーシャンの技術力が認められた瞬間です。

ハンファオーシャンは今回、船体外観の整備に加え、内部構造物の分解・整備・再組み立てを行う「窓整備」を実施。当初は約3ヶ月間の作業予定でしたが、船体内部の損傷箇所を発見し、米海軍と協議の上、追加契約を締結。結果として約6ヶ月間の整備となりました。

予想を超える丁寧な仕事ぶりに米海軍も驚き

このハンファオーシャンの丁寧な仕事ぶりは、米海軍関係者を驚かせたとのこと。「日本の造船会社ではここまでしない」と感嘆の声が上がったというエピソードからも、その高い技術力と誠実な対応が伺えます。この評判は、今後の受注にも大きく影響するでしょう。

追加契約で50億円超え?今後の韓国造船業界への期待

今回のMR0事業で、ハンファオーシャンは当初契約の約200億ウォンに加え、追加整備契約で約300億ウォン、合計500億ウォン(約50億7000万円)以上を稼いだと推測されています。

米国との協力関係強化で更なる飛躍へ

米軍事海上輸送司令部のパトリック・ムーア韓国派遣隊長は、出港式典で「今後も協力関係を強化する機会が増えるだろう」と発言。韓国の造船技術への信頼の高まりを示唆しました。大慶大学の軍事専門家、キム・ギウォン教授は、韓国の地政学的優位性も受注増加に繋がると分析しています。作戦投入が容易な立地条件も、大きな強みとなるでしょう。

altalt整備を終え、新たな任務へと向かうウォリー・シラー号。日米韓の造船業界の競争は激化しています。

ハンファオーシャンは、今年5~6件のMR0事業受注を目指しており、HD現代も2~3件の受注を目標に掲げています。米海軍の老朽艦艇整備需要の高まりを背景に、韓国造船業界は更なる成長を遂げる可能性を秘めています。今後の動向に注目が集まります。