日米韓3カ国による安全保障協力の重要性が叫ばれる中、米国側から韓国の国内情勢に対する懸念が改めて表明されました。これは、日米にとって死活的に重要な三国連携に影を落とす可能性があるとして、緊張感が高まっています。
米国高官、相次いで韓国情勢への懸念を表明
ジョージ・グラス駐日大使候補は、米上院外交委員会の承認公聴会において、日米韓協力は「価値があるだけでなく必須」と強調。同時に、韓国の政治的混乱が三国連携に及ぼす影響について懸念を示しました。 グラス氏の発言に先立ち、エルブリッジ・コルビー国防次官候補も同様の懸念を表明しており、米国の高官が相次いで韓国情勢に言及していることは異例と言えるでしょう。
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同盟国の内政問題に公にコメントすることは通常避けられるものですが、今回はトランプ政権下においても日米韓協力の重要性を認識していたことが改めて浮き彫りになりました。 特に中国の台頭を牽制する上で、三国連携は不可欠な要素となっています。
韓国の国内政治が日米韓協力の足かせに?
韓国の国内政治が日米韓協力の障害となる可能性は、以前から指摘されてきました。過去には、韓国大法院の強制徴用被害者賠償判決を巡る日韓対立が、三国連携に大きな影を落としました。日本による対韓輸出規制、韓国によるGSOMIA破棄の動きなど、両国関係は最悪の状況に陥りました。
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専門家の間では、韓国の政権交代の可能性が高まる中、日米韓協力の推進がさらに困難になるのではないかとの懸念が広がっています。 慶南大学極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は、米国の駐日大使候補が韓国の内政問題に言及したことは適切ではないとしつつも、韓国の政権交代に伴う三国連携への影響を懸念する米国の思惑が反映されていると分析しています。
日米韓協力の未来
北朝鮮の脅威が高まる中、日米韓の安全保障協力はこれまで以上に重要性を増しています。しかし、韓国の国内情勢の不安定さが、この重要な連携に水を差す可能性があることは否定できません。今後の日米韓関係、そして東アジアの安全保障環境は、韓国の国内政治の動向に大きく左右されることになるでしょう。 日本としては、米国との連携を強化しつつ、韓国との関係改善にも尽力していく必要があります。 日米韓協力の未来は、三国それぞれの努力と、そして何よりも韓国の国内情勢の安定にかかっていると言えるでしょう。