イーロン・マスク氏率いるテスラ社。株価急落や抗議デモなど苦境に立たされる中、トランプ前大統領が真っ赤なテスラ車に乗り込み絶賛、購入を表明しました。この行動はテスラへの支援策と見られますが、その裏にはマスク氏とルビオ国務長官の衝突や、利益相反の懸念など複雑な事情が絡み合っています。この記事では、トランプ前大統領とマスク氏の蜜月関係、そしてその背後に潜む問題点について詳しく解説します。
テスラ不振の現状とトランプ前大統領の救済策
近年、テスラ社の株価は乱高下を繰り返しています。関税政策への懸念から株価が急落した際には、3ヶ月でほぼ半減という事態に陥りました。さらに、マスク氏への抗議デモも全米各地で発生。マスク氏に対する風当たりは日に日に強まっています。
こうした状況の中、トランプ前大統領はテスラ車に試乗し、その革新性を高く評価。「今までのダッシュボードと違って全部コンピューターだ」と絶賛し、購入の意思を表明しました。これは、不振にあえぐテスラ社への明確な支援メッセージと受け止められています。
トランプ前大統領がテスラ車に乗り込む様子
マスク氏への批判とヨーロッパでの反発
マスク氏への批判はアメリカ国内にとどまりません。ドイツの極右政党への支持表明を受け、ヨーロッパでも反発が広がっています。経営者としての手腕は高く評価される一方で、政治的な発言が物議を醸すことも少なくありません。
ホワイトハウスでの衝突劇
ニューヨーク・タイムズ紙によると、マスク氏は政府職員の削減方針をめぐり、ルビオ国務長官と激しく衝突したと報じられています。マスク氏は削減努力の不足を指摘したのに対し、ルビオ長官は早期退職者の多さを主張し反論。最終的にはトランプ前大統領が仲裁に入ったとされています。
前嶋和弘教授
この件について、トランプ前大統領は「2人はとても仲が良く、素晴らしい仕事をしている。衝突はなかった」と火消しに躍起になっていますが、真相は藪の中です。
専門家による利益相反の指摘
アメリカ現代政治外交が専門の前嶋和弘教授は、マスク氏の立場に疑問を呈しています。「マスク氏そのものが究極の利益相反だ」と指摘し、政府アドバイザーとしての役割と、政府との取引を行う企業経営者としての立場が両立しないことを問題視しています。スペースX社のスターリンク事業が政府の顧客であることも、利益相反の懸念をさらに強めています。
まとめ:蜜月関係の行方
トランプ前大統領によるテスラ車への絶賛は、苦境に立たされるマスク氏にとって大きな後押しとなったことは間違いありません。しかし、マスク氏への批判や利益相反の懸念は払拭されておらず、今後の動向に注目が集まります。大統領と実業家の蜜月関係は、アメリカ経済そして世界経済にどのような影響を与えるのでしょうか。今後の展開から目が離せません。