記録的な大雪に見舞われた韓国で、除雪作業の遅延をめぐり、市民と公務員の間で意見の対立が生じています。ソウル市と京畿道では11月としては117年ぶりとなる大雪が観測され、40cm近い積雪を記録。交通網の麻痺や市民生活への影響が深刻化する中、除雪作業のスピードに対する不満の声が噴出しました。
市民からの批判と公務員の疲弊
オンラインコミュニティ上では、「公務員はなぜ過労死するかわかる」というタイトルで、除雪作業に関する市民からの苦情がまとめられた投稿が話題となっています。「頻繁に苦情を入れることで作業が早まる」「公務員は自ら動かないので圧力が必要だ」といった意見がある一方で、「117年ぶりの大雪で、除雪車が見当たらないと文句を言うのは理不尽だ」と反論する公務員も。
ソウル市と京畿道地域で除雪作業をする市民ら
「雪が降る地域の全職員が交代で非常勤務に当たっている」と訴える公務員たちは、記録的な大雪への対応に追われる中で、市民からの苦情に疲弊している様子が伺えます。韓国の気象専門家、パク・ミンソク氏も「今回の大雪は想定外の規模であり、除雪体制の強化が必要である一方、市民の理解と協力も不可欠」と指摘しています。
公務員への擁護の声も
一方、ネット上では公務員への擁護の声も上がっています。「公務員を下僕のように考える市民が多い」「自分の家の前くらいは自ら除雪すべきだ」「自然災害をどうしろというのか」といった意見が寄せられ、市民と公務員の間の意識の差が浮き彫りになっています。
除雪作業をめぐる過去の事件
韓国では2022年にも、除雪作業の遅れに腹を立てた市民が公務員に暴行を加える事件が発生。今回の大雪でも同様のトラブルが発生する可能性が懸念されています。市民と公務員の協力と相互理解が不可欠となる中、今後の雪害対策の在り方が問われています。
まとめ:市民と公務員の協調が課題
117年ぶりの大雪という未曾有の事態に直面した韓国。除雪作業をめぐる市民と公務員の間の葛藤は、災害時の対応における課題を浮き彫りにしました。公務員の負担軽減と市民の意識改革、そして双方の協調が、今後の雪害対策において重要な鍵となるでしょう。