【ワシントン=塩原永久】米航空機大手ボーイングは11日、2件の墜落事故により各国で運航停止となっている旅客機737MAXについて、来年1月に運航を再開できるとの見通しを示した。同社は「各国当局の認可次第だ」と前置きした上で、航空会社への引き渡しについても来月中に再開できるとしている。
737MAXは墜落事故を受け、世界の航空当局から運航停止が命じられた。
同社は11日、まず米連邦航空局(FAA)から、更新した機体制御のソフトウエアの認可取得と、運航停止命令の解除を、年内にも済ませたい意向を示した。
FAAに承認されれば、来月中にも、発注した航空会社に機体の引き渡しが可能になるとしている。さらに、操縦士らの新たな訓練プログラムの承認をFAAなど当局から得た上で、来年1月の運航再開を目指す方針を示した。
運航再開に向けては、当局の監督のもと飛行試験を実施しなければならない。
ボーイングは「FAAや各国当局と緊密に協力している」と強調。737MAXが「もっとも安全な飛行機のひとつになると信じている」と指摘している。
ただ、米アメリカン航空やサウスウエスト航空は、更新されたソフトウエアの導入や、飛行士の訓練などに時間を要し、運航再開が来年3月まで遅れるとの見通しを表明している。11日の発表を受けてボーイングの株価は上昇したが、予定通りに運航再開にこぎ着けられるかは不透明だ。