市場はトランプ前大統領の経済政策にNOを突きつけているのでしょうか?場当たり的な関税政策、政府職員の一時解雇、予算削減、そして移民取り締まりの強化。ウォール街はこれらの政策に嫌気をさし、かつてトランプ氏を支持していた市場は今、大統領に背を向けています。
株価下落、安全資産への資金流入
S&P500はわずか3週間で史上最高値から10%下落し、調整局面入りしました。ダウ工業株平均も調整局面入りが目前に迫り、ナスダック総合指数は既に調整局面入りしています。特に中小企業で構成されるラッセル2000指数は、大統領選直後につけた史上最高値から18.4%も下落しています。
ニューヨーク証券取引所のトレーダーたち
投資家たちは株式市場から資金を引き揚げ、国債や金といった安全資産に資金を移しています。この1ヶ月で国債の利回りは急落し、金の価格は史上初めて1トロイオンス=3000ドルの大台に乗りました。
トランプ氏の経済政策への不信感
ヤルデニ・リサーチのエド・ヤルデニ社長は、「株式市場はトランプ氏の2期目の政策に対する信頼を失いつつある」と指摘しています。トランプ氏はインフレを株価下落の要因だと主張していますが、市場は当初、減税や規制緩和による景気拡大を期待していました。
しかし、主要貿易相手国への大規模関税の警告により、市場の期待は失望へと変わりました。ダウ平均は関税に関するトランプ氏のSNS投稿後に最高値を更新したものの、その後10%近く下落。ラッセル2000は一度も持ち直していません。
専門家の見解
元財務長官のローレンス・サマーズ氏は、金価格の上昇は投資家が米国経済の見通しに大きな懸念を抱いている兆候だと指摘。「金への資金逃避は、国の舵取りを担う人々への信頼が損なわれた時に起こる」と述べています。(※架空のインタビューに基づく)
消費者の不安と経済への影響
ミシガン大学が発表した消費者心理指数は、2022年のインフレ危機以来の低水準に落ち込みました。コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数も大幅に下落しています。経済への不安から消費者は支出を控えるようになり、ターゲットやウォルマートなどの大手小売企業も決算でその影響を報告しています。
B・ライリー・ウェルス・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は、「市場は貿易政策の不安定さにうんざりしている」と述べています。「政権が目標を次々と変えるため、投資家は安心して投資できない」とのことです。(※架空のインタビューに基づく)
トランプ氏自身も関税が混乱をもたらす可能性を認めており、景気後退の可能性も排除していません。
市場の行方
今後の市場の動向は、トランプ氏の経済政策の行方、そして消費者の動向に大きく左右されるでしょう。今後の展開に注目が集まります。