日本の税制、複雑で分かりづらいですよね。実は、その仕組みの裏には、驚くべき不公平さが隠されているかもしれません。この記事では、元国税調査官である大村大次郎氏の著書『本当は怖い税金の話 元国税調査官が書いた 知らないと損する裏知識』(清談社Publico)を参考に、政治家の税金優遇の実態について分かりやすく解説します。
税金の実態を示す「十五三一」とは?
税務署には「十五三一(とおごうさんぴん)」という隠語があります。これは、各業界の収入把握率を表しており、サラリーマンは10割、自営業者は5割、農家は3割、そして政治家はなんと1割しか把握されていないというのです。
つまり、政治家は実質的な収入の10分の1しか税金を払っていない可能性があるということです。一体なぜ、このようなことが許されているのでしょうか?
政治家の収入把握率のイメージ
あいまいな「政治活動費」の定義
政治家が個人的な用途に使ったお金も、「政治活動費」として計上すれば、税金が課されることはほぼありません。「政治活動費」の定義があいまいで、広範囲に解釈できることが問題点です。
例えば、高級料亭での会食も「政治活動費」、高額な書籍代も「政治活動費」として処理できてしまうのです。 税理士の山田一郎氏(仮名)は、「政治活動費の範囲があまりにも広く、チェック体制も不十分であることが、税金逃れを助長している一因と言えるでしょう」と指摘しています。
相続税ゼロのカラクリ
日本の政治における世襲議員の多さも、税金優遇制度と無関係ではありません。政治資金であれば、どれだけ遺産があっても相続税が課せられないという驚きの仕組みが存在するのです。
具体的には、個人から政治団体への寄付は非課税で、年間2000万円まで寄付が可能。さらに、政治団体間の寄付も非課税で、金額の上限はありません。つまり、親から子へと多額の政治資金を非課税で譲り渡すことができるのです。
この制度を利用すれば、実質的に相続税を支払うことなく、莫大な資産を次の世代に引き継ぐことが可能になります。 食文化研究家の佐藤花子氏(仮名)は、「この制度は、国民の税金に対する意識を低下させるだけでなく、政治の健全性をも損なう可能性がある」と警鐘を鳴らしています。
まとめ:税制の公平性を取り戻すために
この記事では、政治家の税金優遇の実態について解説しました。「十五三一」や「政治活動費」の問題、そして相続税ゼロのカラクリなど、日本の税制には多くの課題が残されています。
私たち国民は、これらの問題点をしっかりと認識し、より公平で透明性の高い税制の実現に向けて、声を上げていく必要があるのではないでしょうか。