カナダ新首相にカーニー氏就任!政治経験ゼロからの挑戦

カナダの新首相に、元カナダ銀行総裁のマーク・カーニー氏(59歳)が就任しました。14日、首都オタワの総督公邸で行われた宣誓式を経て、正式に首相の座につきました。政治経験のない人物が首相になるのはカナダ史上初という、異例の事態となっています。

政治経験ゼロからの船出、国民の期待を背負って

カナダ新首相マーク・カーニー氏カナダ新首相マーク・カーニー氏

カーニー氏は、これまでカナダ銀行総裁として金融政策の舵取りを担ってきました。その手腕は国内外で高く評価されており、「世界最高の中央銀行総裁」と称賛されたこともあります。しかし、政治の世界は未知の領域。国民は、カーニー氏が経済だけでなく、政治においても手腕を発揮できるのか、大きな期待と不安を抱いています。

トランプ政権への対応、難局を乗り越えられるか?

新首相就任直後から、カーニー氏には難題が山積しています。特に、トランプ米大統領による関税などの圧力への対応は喫緊の課題です。トランプ政権は、カナダを「米国の51番目の州になるのが合理的だ」と挑発するなど、強硬な姿勢を見せています。カーニー氏は、このような状況下で、カナダの主権と国益を守り抜くための難しい舵取りを迫られています。宣誓式後の記者会見では、「いかなる形でも米国の一部になることは決してない」と断固たる姿勢を示し、国民の不安払拭に努めました。

新内閣発足、党の結束と難局への対応を図る

カーニー新首相は、新内閣を発足させました。注目すべきは、クリスティア・フリーランド前副首相を運輸相に起用したことです。フリーランド氏は、党首選でカーニー氏と争ったライバル。今回の起用は、党内の融和を図り、結束を強化する狙いがあると見られています。また、米政権への対応に当たってきたクリスティ・ジョリー外相を留任させ、ビル・モルノー財務相を国際貿易相に配置換えするなど、トランプ政権との交渉を重視した布陣となっています。

期待高まる解散総選挙、カーニー氏の真価が問われる

カーニー氏の首相就任により、低迷していた自由党の支持率は急回復しています。新政権への期待の高まりを受け、カーニー氏は近く解散総選挙に踏み切るとみられています。「数日以内にニュースがある」と示唆しており、国民の信を問う決断が間近に迫っていることを予感させます。今後の政治手腕が問われるカーニー氏。果たして、国民の期待に応え、難局を乗り越えることができるのでしょうか。

カナダ新首相、トルドー前首相からバトンタッチ

トルドー前首相とカーニー新党首トルドー前首相とカーニー新党首

2015年11月から9年余り首相を務めてきたジャスティン・トルドー氏は、今年1月に不人気を背景に辞意を表明。カーニー氏への首相交代が正式に決定しました。 長年カナダのリーダーとして活躍してきたトルドー氏から、政治経験ゼロのカーニー氏へ。カナダの未来は、新たなリーダーの手腕にかかっています。