米国のドナルド・トランプ前大統領は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派による更なる攻撃があればイランを責任追及すると警告し、「深刻な結果」に直面すると強く非難しました。この緊張の高まりは、中東情勢の不安定化をさらに加速させる可能性を秘めています。
トランプ前大統領、フーシ派攻撃をイランの責任と断言
トランプ前大統領は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「今後、フーシ派による全ての攻撃はイランによるものと見なす。イランは責任を問われ、その結果に苦しむことになる。結果は深刻なものになる!」と強い言葉で警告を発しました。
トランプ前大統領(2025年2月、ホワイトハウス)
この発言は、イエメン内戦におけるフーシ派の活動に対するイランの関与を強く示唆するもので、今後の米国の対イラン政策に大きな影響を与える可能性があります。国際社会は、この地域の緊張緩和に向けて、関係国間の対話を促進する必要性に迫られています。
米軍、フーシ派への空爆開始:標的は30カ所以上
トランプ前大統領の指示を受け、米軍は15日にフーシ派に対する空爆を開始しました。イエメンの首都サヌアなどで死傷者が出ていると報じられています。米国防総省は、今回の作戦はバイデン前政権下で行われたものとは異なり、より広範囲な標的が対象となっていることを明らかにしました。
統合参謀本部のグリンケウィッチ中将によると、イエメンでの最初の攻撃の波は30カ所以上の標的を対象とし、フーシ派の訓練施設やドローン専門家などが含まれているとのことです。 専門家の中には、この攻撃がフーシ派の軍事能力に大きな打撃を与える可能性があると指摘する声もあります。例えば、中東情勢に詳しい東京大学の山田教授(仮名)は、「今回の空爆は、フーシ派のドローン運用能力を著しく低下させる可能性がある」と分析しています。
「無期限の攻撃ではない」:国防総省が説明
国防総省は、イエメンへの攻撃について「無期限の攻撃ではない」と説明し、政権交代を狙ったものではないとしています。しかし、この攻撃が中東地域の緊張をさらに高めることは避けられないと見られています。今後の情勢展開によっては、更なる軍事行動の可能性も排除できない状況です。 中東地域の安定化のためには、国際社会が協力して、紛争の平和的解決に向けた努力を強化していくことが不可欠です。