イスラエルとパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとの武力衝突は激化の一途をたどっています。イスラエル国防相はガザへの地上侵攻の拡大を表明し、ハマスが人質を解放しない限り占領地域を「恒久支配」する強硬姿勢を示しました。この緊迫した状況下で、今後の展開が懸念されています。
ガザ侵攻拡大、停戦は事実上崩壊
イスラエル国防相は21日、ガザへの地上侵攻の拡大を軍に指示したと発表しました。ハマスが人質を解放しない限りは、占領地域を「恒久支配」するとして、作戦継続の構えです。イスラエル軍はガザ最南部ラファや北部などで作戦地域を拡大し、ハマスへの圧力を強めています。
イスラエルは18日の大規模空爆に続き、19日に地上侵攻を再開。一時的にハマスは反撃を控えていましたが、20日にロケット弾を発射したことで停戦は事実上崩壊しました。21日にもガザからロケット弾2発が発射されましたが、イスラエル軍によって迎撃されています。死傷者の情報は今のところありません。
ガザの住民が家財道具と共に避難する様子
ハマスは停戦維持を主張、イスラエルとの交渉継続を模索
ロイター通信によると、ハマスはイスラエルの行動を「停戦合意への危険かつ新たな違反」と非難する一方で、自らは停戦維持に尽力する姿勢を見せています。仲介国に「責任を果たしてほしい」と要請するなど、恒久停戦に向けてイスラエルとの交渉継続を探っているようです。
ガザでの犠牲者、590人以上に
ロイター通信がガザ保健当局の情報として伝えたところによると、20日だけで少なくとも91人がイスラエルの空爆で死亡しました。中東の衛星テレビ局アルジャジーラは21日、18日以降の死者は590人を超えたと報じています。ガザ統治部門の実質トップを含むハマス幹部も殺害されたと伝えられています。
米国はハマスを非難「自ら戦争を選択した」
仲介国である米国のウォルツ大統領補佐官（国家安全保障担当）は、ハマスが人質全員を解放していれば停戦は延長されていただろうとSNSで指摘。「ハマスは自ら戦争を選択した」と非難しました。
国連は停戦復活と人質解放、人道支援を訴え
国連パレスチナ難民救済事業機関（UNRWA）のラザリニ事務局長は20日、ガザの南北を分断する地上侵攻の進行に強い懸念を表明。「最悪の事態が起きるのではないかと恐れている」とSNSに投稿しました。「停戦の復活、ハマスによる人質全員の尊厳ある形での解放、そして人道支援物資の切れ目ない搬入が必要だ」と訴えています。
今後の展開に注視
イスラエルとハマスの対立は泥沼化しており、今後の展開は予断を許しません。国際社会の仲介 efforts と人道支援の必要性がますます高まっています。ガザ地区の住民の安全と人権保護が最優先されるべきであり、一刻も早い停戦実現が求められています。
