【殺処分寸前の犬たちへ】元実業家が静岡で39頭の「問題犬」と暮らす理由とは?

焼津市にある保護施設で、39頭の「問題犬」と暮らす元実業家、齊藤洋孝さん。彼はなぜ、噛みつく犬、唸る犬、心に傷を負った犬たちと向き合い続けるのか? jp24h.comがその背景に迫ります。

問題犬との出会い、そして保護活動へ

かつて実業家として活躍していた齊藤さん。彼の人生を変えたのは、2014年、行き場を失った一匹の犬との出会いでした。それからというもの、彼は「殺処分に最も近い犬」と呼ばれる、問題行動を抱える犬たちの保護活動を始めることになります。

穏やかな表情の赤柴「ニナ」穏やかな表情の赤柴「ニナ」

施設で私を出迎えてくれたのは、赤柴の「ニナ」。人懐っこく、穏やかな表情で私の足元に寄り添ってきました。しかし、齊藤さんによると、ニナはかつて激しく噛みつく犬だったといいます。預かり先から戻ってきた後、先住犬を襲うようになり、飼い主はノイローゼに。最終的に、齊藤さんが引き取ることになったのです。「犬の問題行動の背景には、必ず理由がある」と齊藤さんは語ります。犬行動学の専門家である山田先生(仮名)も、「犬の攻撃性は、恐怖や不安、過去のトラウマなどからくる場合が多い」と指摘しています。

個性豊かな犬たちとの暮らし

次に現れたのは、黒柴の「あっくん」。ドア越しに「開けてー!」と元気に吠え、部屋に入ると落ち着いて行儀よく座る姿は、まるで人間の子供のようです。あっくんは虐待を受け、背骨が変形しているとのこと。当初は人を怖がり、心を閉ざしていましたが、今では齊藤さんに心を開き、自分の気持ちを吠えて伝えることができるようになりました。

保護犬「あっくん」保護犬「あっくん」

齊藤さんは、それぞれの犬の個性や性格を尊重し、無理強いすることなく、寄り添いながら生活しています。「犬たちは言葉で気持ちを伝えられない分、行動で示してくれる。そのサインを見逃さないことが大切」と齊藤さんは言います。

39頭の命を守る、齊藤さんの想い

齊藤さんの活動は、多くのボランティアの支えによって成り立っています。獣医師の佐藤先生(仮名)は、「齊藤さんのような存在は、動物福祉の向上に不可欠です。彼の献身的な活動は、多くの犬たちの命を救っています」と語っています。

齊藤さんは、犬たちの幸せを第一に考え、日々奮闘しています。彼の活動は、私たちに「命の尊さ」を改めて考えさせてくれる、かけがえのないものです。

愛情と根気で、未来を切り開く

「問題犬」と呼ばれる犬たちも、愛情と根気強いケアによって変わることができる。齊藤さんの活動は、そのことを証明しています。彼は、これからも多くの犬たちの未来を切り開き、希望を与え続けていくことでしょう。