韓国の高齢者、自営業に転身も半数が最低賃金以下…厳しい現実

近年、韓国では早期退職などで会社を辞め、自営業に転身する50代以上の方が増えています。しかし、その半数近くが最低賃金にも満たない収入で生活しているという厳しい現実が、韓国雇用情報院の報告書「高齢者の自営業への移動と低賃金労働」で明らかになりました。この記事では、その実態と背景にある問題について詳しく解説します。

早期退職後の自営業…成功への道のりは険しい

同報告書によると、2022年にサラリーマンから自営業に転身した50代以上の方は全体の約6割を占めています。退職後の新たな挑戦として自営業を選ぶ方が多い一方で、その道のりは決して平坦ではありません。なんと、その半数近くが月平均所得で最低賃金(2022年基準:月額約19万9千ウォン)にも届いていないのです。長年会社勤めをしてきたにも関わらず、自営業では十分な収入を得ることができず、厳しい生活を強いられている方が多くいるという現状が浮き彫りになりました。

自営業の屋台自営業の屋台

年齢が高いほど、一人社長ほど、低所得の傾向

特に、60代以上の自営業者の75.8%、また従業員を雇っていない「一人社長」の56.3%が最低賃金以下の収入で生活しているというデータも出ています。年齢が高いほど、そして一人で事業を営んでいる方ほど、低所得の傾向が強いことが分かります。

なぜ低所得になってしまうのか?

専門家の意見を伺ってみました。「飲食店経営コンサルタントのキム・ソンジュン氏」によると、高齢の自営業者の多くは、以前の職種とは全く異なる分野で起業していることが原因の一つとして考えられるとのこと。長年の経験を活かせないまま、飽和状態の業界に参入してしまうケースが多く、結果として競争に勝ち抜くことが難しく、低所得に陥ってしまうのです。

飽和状態の業界への参入…負のスパイラル

実際、50代以上の自営業転換者の半数以上が、流通サービス業や消費者サービス業に従事していることが分かっています。これらの業種は、飲食店や宿泊施設、個人サービスなど、参入障壁が低い一方で、競争が激しく、収益性を確保することが難しいのが現状です。

韓国の街並み韓国の街並み

経済の低迷も追い打ちをかける

さらに、景気低迷や消費の冷え込みも、自営業者の経営を圧迫する要因となっています。特に2022年以降、経済状況の悪化が顕著になり、多くの自営業者が苦境に立たされていると報告書は指摘しています。

高齢者自営業者の支援策が急務

このような状況を打破するためには、政府による支援策の拡充が不可欠です。専門家からは、資金援助だけでなく、経営ノウハウの提供や、新たなビジネスモデルの開発支援など、多角的なサポートが必要との声が上がっています。高齢者が安心して生活できる社会を実現するためにも、早急な対策が求められています。

まとめ:自営業という選択

早期退職後、新たな人生のスタートとして自営業を選ぶことは、やりがいのある挑戦です。しかし、その道のりは容易ではなく、十分な準備と計画が必要です。この記事が、これから自営業を始めようと考えている方、そして既に自営業として活躍されている方の参考になれば幸いです。ぜひ、皆さんのご意見や経験をコメント欄で共有してください。また、jp24h.comでは、他にも様々な情報を発信していますので、ぜひご覧ください。