六代目山口組と神戸山口組、池田組の抗争終結の兆しが見え始めた。長年にわたり日本の裏社会を揺るがしてきた抗争は、ついに終焉を迎えるのか。関係者の間では緊張と期待が入り混じる中、和平に向けた動きが水面下で活発化している。
稲川会が和平工作の中心に?
関西のある暴力団関係者は、「いよいよ抗争も終わりが見えてきたかもしれんな」と呟いた。その背景には、3月下旬に暴力団関係者や警察関係者、そしてマスコミ関係者の間で出回った「連判状」の情報がある。この情報は、暴力団関係者が情報交換に利用する「ヤクザLINE」を通じて拡散された。
その内容は、関東の有力団体である稲川会の幹部が、山口県に拠点を置く指定暴力団「合田一家」を訪問したというものだ。さらに、岡山県の「浅野組」、福岡市の「福博会」、そして新体制となったばかりの「旭琉會」も訪問予定リストに含まれていたという。
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各地有力団体への訪問と連判状作成の目的
広島の「共政会」「?道会」、香川の「親和会」への訪問も計画されているとされ、その目的は「連判状を作成して山口組に承認を取って井上、池田に行く」ことだとされている。「井上」とは神戸山口組の井上邦雄組長、「池田」とは池田組の池田孝志組長を指すとみられる。
この情報に、暴力団情勢に詳しい捜査関係者は、「抗争を終わらせるための調停の動きがあることが一斉に伝えられた」と分析する。
和平への期待と「最後通牒」の可能性
「ヤクザLINE」で拡散された情報には、「堅気になる者の命の補償はする」という文言も含まれていた。このことから、一部の暴力団関係者は、六代目山口組側から神戸山口組側に突きつけられた「最後通牒」ではないかとの見方も出ている。
稲川会と六代目山口組の深い関係
前出の幹部は、「稲川会といえば、内堀和也会長は六代目山口組の中核団体である『弘道会』の竹内照明会長とは兄弟分で、六代目山口組の高山清司若頭とも関係が深い。抗争の仲裁役という大役を受けて抗争の収束に向けて動いた可能性は十分にある」と指摘する。
暴力団問題に詳しいジャーナリストの山田一郎氏(仮名)は、「稲川会が仲介役を務めることで、和平交渉が進む可能性は高い。しかし、過去の抗争の経緯や各組織の思惑が複雑に絡み合っているため、最終的な合意に至るまでには、まだまだ多くの困難が予想される」とコメントしている。
神戸山口組の劣勢と和平交渉の行方
神戸山口組は近年、構成員の離脱や抗争事件の影響で弱体化が進んでおり、劣勢は決定的となっている。こうした状況も、和平交渉を後押しする要因の一つとなっている可能性がある。今後の動向に注目が集まる。