40年間の沈黙を破り…いとこからの性暴力、妊娠・中絶を告白した50代女性の苦悩

幼少期からの性暴力、そしてその後の妊娠・中絶。40年もの間、誰にも言えずに苦しみを抱えてきた50代女性の壮絶な体験が、韓国のJTBC番組「事件班長」で明らかになりました。深い心の傷、そして加害者への複雑な思い。彼女が沈黙を破った背景には、一体何があったのでしょうか。

13歳から始まった悪夢:いとこからの性暴力

地方から出てきたいとこと同居していた13歳の少女時代。ある日、いとこの部屋に呼ばれた彼女は、突然の性暴力に襲われます。「話したら家に火をつける」という脅迫に怯え、誰にも助けを求めることができませんでした。その後も繰り返される性暴力。恐怖と絶望の中で、彼女は声を押し殺すしかありませんでした。

13歳から性暴力を受けていた女性(イメージ)13歳から性暴力を受けていた女性(イメージ)

高校時代の妊娠・中絶、そして語られなかった真実

16歳で妊娠が発覚。中絶手術を受けるという辛い選択を迫られます。しかし、母にも真実を打ち明けられず、一人で苦しみを抱え込みました。この経験は、彼女の人生に大きな影を落とすことになります。

パニック障害、不妊、離婚…続く苦悩の日々

性暴力の後遺症は、その後も彼女を苦しめ続けました。パニック障害を発症し、結婚後も妊娠できないという現実。そして、最終的には離婚という辛い結末を迎えます。若い頃の性暴力と中絶経験が、彼女の人生を大きく狂わせてしまったのです。婦人科医の金 美淑(キム・ミスク/仮名)先生は、「10代の若年での妊娠中絶は、身体的にも精神的にも大きな負担となり、後々の不妊や精神疾患につながる可能性がある」と指摘しています。

加害者の幸せな姿と、自身の苦しみ…募る怒りと葛藤

母の葬儀で、加害者であるいとこと再会。恐怖のあまり、最後の別れを告げることすらできませんでした。そして最近、いとこの息子の結婚式に招待されたことで、過去の記憶が鮮明によみがえります。SNSで幸せそうな家族写真を投稿し、「人生最高の作品」と綴るいとこの姿。女性は、「なぜ加害者が堂々と生き、私だけが苦しまなければならないのか」と、抑えきれない怒りと葛藤を覚えました。

沈黙を破った勇気、そして未来への希望

40年間の沈黙を破り、自身の体験を告白した50代女性。その勇気は、多くの性暴力被害者に希望を与えるでしょう。そして、この告白が、性暴力撲滅に向けた社会全体の意識改革につながることを願います。韓国では、#MeToo運動の高まりとともに、性暴力被害を告発する動きが活発化しています。彼女の告白も、その流れを加速させる重要な一歩となるでしょう。