【エルサレム=福島利之】パレスチナ自治区ガザでの停戦案を巡り、イスラム主義組織ハマスがイスラエル軍のガザからの撤退などを求めた一部修正について、イスラエルの首相府は5日、「受け入れられない」と拒否する声明を発表した。イスラエルは6日、ガザに拘束された人質の解放を協議するため交渉団を仲介国のカタールに派遣した。
ハマスは4日、60日間の停戦中に、生存しているとみられる人質の半数にあたる10人と人質18人の遺体を段階的にイスラエルへ引き渡す案に「前向きな回答」を示した。ただ、6日に放送されたイスラエル軍ラジオなどによると、ハマスは長期的な停戦の保証や軍のガザからの撤退、国連による人道支援物資の監督の3点を停戦案に盛り込むよう修正を求めている。
イスラエルは5日夜、治安閣議を開き、ハマスの修正案を協議した。公共放送カンによると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は閣議で、停戦に反対する極右政党の閣僚に「ガザ(のハマス)が非武装化しない限りイスラエルは戦争を終わらせない」と確約した。ネタニヤフ氏は7日、米国のトランプ大統領とワシントンで会談する予定だ。