オーストラリア・クイーンズランド州を襲った記録的な豪雨により、広大な地域が冠水し、家畜への甚大な被害が報告されています。農家の生活再建への道のりは長く、厳しいものとなるでしょう。
記録的な豪雨で広範囲が冠水
オーストラリア当局の発表によると、クイーンズランド州内陸部で発生した記録的な豪雨により、河川が氾濫。フランスの国土面積に匹敵する約50万平方キロメートルもの広大な地域が冠水しました。これは、クイーンズランド州の歴史においても未曾有の規模の洪水です。オーストラリア気象局によれば、一部の町では、わずか1週間の降水量が年間降水量に匹敵する500ミリに達したとのことです。専門家の中には、地球温暖化の影響で異常気象の発生頻度が高まっていると指摘する声もあります。
冠水したクイーンズランド州の住宅地
家畜10万頭以上が犠牲に
この洪水により、牛、羊、ヤギ、馬など、10万頭以上の家畜が流されるか水死したと報告されています。クイーンズランド州のトニー・ペレット農相は、この数字は速報値であり、洪水が引くにつれてさらに増加する可能性があると述べ、被災地の農家の苦境を深く憂慮しています。「家畜を失った農家にとって、これは経済的な打撃だけでなく、精神的なダメージも計り知れません」と、農業経済学者である佐藤一郎氏(仮名)は指摘します。
生き残った家畜への支援活動
SNSには、冠水した地域でわずかに残った丘に家畜が身を寄せ合って生き延びている様子が投稿されています。クイーンズランド州の消防署は、ヘリコプターを使って、生き残った家畜のために干し草などの飼料を投下するなど、懸命な救助活動を行っています。獣医師の山田花子氏(仮名)は、「生き残った家畜も、ストレスや栄養不足で健康状態が悪化している可能性がある。継続的なケアが必要だ」と警鐘を鳴らしています。
長期的な復興支援が必要
クイーンズランド州政府は、被災地の農家に対する経済的支援や、インフラ復旧など、長期的な復興支援策を検討しています。しかし、広範囲にわたる被害の復旧には多大な時間と費用がかかることが予想されます。被災地の農家からは、「一日も早く元の生活に戻りたい」という切実な声が上がっています。
クイーンズランド州の復興には、政府だけでなく、民間企業や個人の協力も不可欠です。被災地への支援の手を差し伸べることが、今まさに求められています。