壱岐島沖ヘリ墜落事故:患者搬送ヘリ墜落、3人の尊い命が失われる

壱岐島沖で発生した患者搬送ヘリコプターの墜落事故。一夜明けた7日、3人の死亡が確認され、関係者や地域社会に深い悲しみが広がっています。この記事では、事故の状況、関係者の声、そして今後の調査について詳しくお伝えします。

患者搬送ヘリ墜落、3人死亡確認

長崎県壱岐島沖で6日夕、患者を搬送中のヘリコプターが墜落し、患者である86歳女性、付き添いの68歳男性、そして34歳男性医師の3名の死亡が確認されました。

altalt転覆したヘリコプター。壱岐島沖の海上に浮かぶ。(2025年4月7日午前9時13分、読売新聞社ヘリから)

関係者の声:深い悲しみと衝撃

対馬市に住む74歳の男性は、亡くなった女性患者と家族の男性と交流があったといいます。「80歳を超えても元気で、家族の方は農業に熱心に取り組んでいた。近所の人たちから慕われていたのに…」と、突然の訃報に言葉を詰まらせました。また、別の近隣住民も「福岡の病院で治療を受けて元気に帰ってくると思っていたのに…」と深い悲しみを語りました。

運航会社「エス・ジー・シー佐賀航空」の対応

運航会社のエス・ジー・シー佐賀航空は7日午前、佐賀市本社で記者会見を開き、宮原幸徳・統括航空事業本部長が「3名の尊い命を失う結果となり、深くおわび申し上げる」と謝罪しました。中山博樹代表取締役もコメントを発表し、事故調査への全面的な協力を表明しています。

事故機の飛行時間に関する訂正

6日の会見では事故機の飛行時間は約3000時間とされていましたが、7日の会見で約1200時間に訂正されました。機長は総飛行時間約3700時間で、事故機では643時間飛行。整備士は44年のベテランだったとのことです。航空事故調査官によると、ヘリコプターはフロート(浮き)を展開した状態で着水したとみられています。

今後の調査:事故原因の究明へ

海上保安庁は業務上過失致死傷の疑いで捜査を開始し、国土交通省運輸安全委員会も航空事故調査官2人を現地に派遣しました。事故原因の究明に向け、機体の状況や飛行記録などを詳しく調べていく方針です。

altalt事故発生現場付近。捜索活動が行われた。(提供:読売新聞社)

墜落事故は地域社会に大きな衝撃を与え、救急医療体制への不安も広がっています。今後の調査の進展が待たれます。