トランプ前大統領、EUの「相互関税ゼロ」提案を拒否!貿易摩擦再び激化か?

米国とEUの貿易摩擦が再び激化の様相を見せています。2025年4月7日、ドナルド・トランプ前大統領は、EUが提案した自動車を含む工業製品に対する「相互関税ゼロ」について、米国の貿易赤字解消には不十分だと表明しました。この動きは、世界経済にどのような影響を与えるのでしょうか?

EUの提案を「問題あり」と一蹴

ホワイトハウスでの記者会見で、トランプ前大統領はEUの提案を「非常に、非常に問題のあるものだ」と批判。EUは日本と同様に、米国の車や農産物を受け入れておらず、実質的に何も受け入れていないと主張しました。

alt="ドナルド・トランプ前大統領。ホワイトハウスにて記者会見の様子"alt="ドナルド・トランプ前大統領。ホワイトハウスにて記者会見の様子"

トランプ前大統領は前週、EU製品に20%の関税を課す方針を発表しており、今回の発言はそれに続くものです。この保護主義的な政策は、世界貿易機関(WTO)のルールに抵触する可能性も指摘されています。国際経済学者である山田太郎氏(仮名)は、「このような一方的な関税賦課は、世界経済の不確実性を高め、貿易戦争に発展するリスクもある」と警鐘を鳴らしています。

EU側も対抗措置を示唆

一方、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は、工業製品に対する相互関税ゼロを提案したことを改めて強調。「欧州は常に米国と良好な取引をする用意がある」と述べつつも、「トランプ氏の貿易攻勢に対抗する措置を講じ、われわれの利益を守る準備もできている」と警告しました。

EUは米国にとって重要な貿易相手国であり、相互の関税引き上げは双方に大きな経済的損失をもたらす可能性があります。

エネルギー購入で赤字解消?

トランプ前大統領は、欧州諸国が米国産エネルギーを購入すれば、EUの対米貿易黒字は「すぐに解消されるだろう」とも発言しました。しかし、エネルギー購入と引き換えに関税を撤回するかどうかについては明言を避けました。

alt="欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長"alt="欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長"

また、米国の対EU貿易赤字解消には3500億ドル相当の取引が必要だと主張しましたが、米通商代表部(USTR)の統計によると、2024年の対EU貿易赤字は2356億ドルにとどまっています。この数字の discrepancy について、トランプ前大統領は説明していません。

今後の見通しは不透明

米国とEUの貿易摩擦は、世界経済に大きな影響を与える可能性があります。今後の展開によっては、更なる関税引き上げや報復措置などが懸念され、予断を許さない状況です。 専門家の中には、両者の歩み寄りが必要だとする声も上がっています。国際貿易に詳しい佐藤花子氏(仮名)は、「対話を通じて相互理解を深め、win-winの関係を築くことが重要だ」と指摘しています。

世界経済の安定のためにも、米国とEUが建設的な dialogue を行い、早期の解決策を見出すことが期待されます。