壱岐島沖ヘリ墜落事故、搬送中の患者と医師含む3名の死亡確認、悲しみの声が上がる

壱岐島沖で発生した患者搬送ヘリコプターの墜落事故。痛ましいことに、搬送中の患者2名と医師1名の計3名の死亡が確認されました。この事故は、地域医療の重要性を改めて問いかける出来事となりました。この記事では、事故の概況、亡くなられた方々に関する情報、そして周囲の人々の悲しみの声をお伝えします。

事故の概要と救助活動

4月7日、長崎県壱岐島沖で患者搬送ヘリコプターが転覆しているのが発見されました。唐津海上保安部(佐賀県)は、心肺停止状態で救助された2名の死亡を確認。これにより、死者は計3名となりました。海上保安部は、救助された機長(66)から事情聴取を開始し、業務上過失致死の疑いなどを視野に捜査を進めています。

転覆したヘリコプター

犠牲となった患者と医師

第七管区海上保安本部(北九州市)と関係者によると、死亡が確認されたのは、患者の本石ミツ子さん(86)と息子の和吉さん(68)、そして福岡和白病院(福岡市東区)の医師、荒川渓さん(34)です。3名のご冥福をお祈りいたします。

荒川医師の人となり

荒川医師を知る人々からは、悲しみの声が上がっています。かつて荒川医師に命を救われたという長崎県対馬市の男性は、「いつも温和な表情で、親身になってくれる本当に良い先生だった」と語り、無念さをにじませました。

小中高校の同級生だった男性によると、荒川医師は小学生の頃から「優しい医者になりたい」と夢を抱いていたとのこと。誰にでも分け隔てなく接する、ユーモアあふれるクラスの人気者だったそうです。中学・高校は進学校に自宅から約1時間かけて通学し、長崎大学医学部へ進学。患者を救うことに情熱を注いでいた荒川医師の突然の死に、同級生は深い悲しみに暮れています。

別の同級生は、今年2月に荒川医師と会食した際、目の前の患者をどう助けるかについて熱心に語り合っていたことを振り返り、「実力もあり、一生懸命だった」と故人を偲びました。医療現場の最前線で活躍していた若き医師の将来が突然閉ざされたことは、大きな損失と言えるでしょう。