円高と航空券高騰で揺らぐ日本旅行人気:韓国人観光客の動向を探る

近頃、韓国で話題になっているのが日本旅行を取り巻く変化です。かつての円安トレンドが終わりを告げ、円高と航空券価格の高騰という二重苦が韓国人観光客の日本旅行熱を冷ましているというのです。一体何が起きているのでしょうか?本記事では、この現状を詳しく解説し、今後の旅行動向を探ります。

円高と航空券高騰が韓国人観光客に与える影響

2024年は、韓国人観光客にとって日本旅行の黄金期でした。円安を追い風に、年間882万人もの韓国人が日本を訪れ、過去最高を記録しました。しかし、2025年に入り状況は一変。円高が進み、4月9日には1円=1021.66ウォンと、2022年3月以来の高値水準を記録しました。この急激な円高は、韓国人観光客の財布の紐を固く締める結果となっています。

金浦空港国際線ターミナルの画像金浦空港国際線ターミナルの画像

韓国の大手旅行会社「キョウォンツアー」によると、2025年のゴールデンウィーク期間(5月1日~6日)の日本旅行予約件数は、前年同期比で45%も減少しました。旅行全体の予約数における日本の割合も、前年の13.1%から9.3%へと縮小。人気の旅行先ランキングでも、ベトナム、ヨーロッパ、タイ、中国に後れを取り、5位に甘んじる結果となりました。前年は3位だったことを考えると、その落差は明らかです。

ゴールデンウィークの日本旅行、人気低迷の理由

キョウォンツアーの関係者は、円高に加え、ゴールデンウィーク中の日本国内の混雑も需要減の要因だと分析しています。しかし、4月の桜シーズンは円高の影響がまだ限定的であり、日本旅行の予約比率は23.5%と最も高かったとのこと。季節要因も旅行需要に大きな影響を与えているようです。

別の旅行大手「ハナツアー」の予約統計でも、他の地域は前年比で増加または横ばいだったのに対し、日本だけは5%前後の減少を記録。これは、円高と航空券高騰の影響を裏付けるデータと言えるでしょう。

航空券高騰が追い打ちをかける

航空券価格の高騰も、日本旅行離れに拍車をかけています。例えば、4月18日出発・20日帰国の2泊3日の航空券を検索すると、「仁川―大阪」は36万6400ウォン、「仁川―東京」は39万2200ウォンからと、直近2週間の最安値と比較してそれぞれ58%、44%も高くなっています。

今後の日本旅行はどうなる?

さらに、日本の多くの自治体や観光地では、オーバーツーリズム対策として宿泊税や入場料の引き上げが相次いでおり、観光客の経済的負担は今後さらに増すことが予想されます。「旅行経済学」の専門家であるキム・ヨンチョル教授(仮名)は、「円高と物価上昇のダブルパンチは、韓国人観光客の日本旅行への意欲を大きく削ぐ可能性がある」と指摘しています。

円高と航空券高騰、そして物価上昇。これらの要因が重なり、韓国人観光客の日本旅行を取り巻く環境は厳しさを増しています。今後の旅行動向に注目が集まります。